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2014 年度 実績報告書

食品中のVBNC食中毒起因菌の検出法と復帰条件の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26560055
研究機関広島大学

研究代表者

島本 敏  広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (70583136)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2015-03-31
キーワードVBNC / VNC / 腸炎ビブリオ / コレラ菌
研究実績の概要

以前より環境中には生きているが培養できない(viable but nonculturable, VBNC or VNC)状態の細菌が多く存在していることが知られていた。食中毒起因菌が食品中にVBNC状態で存在していた場合,腸管内で栄養状態の細菌に復帰して増殖し,食中毒の原因となる可能性が指摘されている。本研究では,食品や環境中に多数存在していると思われるVBNC状態の細菌の検出法を確立することを目的とした。
本研究では,EMA-qPCR法による生菌のゲノム定量と温度上昇処理による復帰条件での培養法を組み合わせることによってVBNC状態を含む腸炎ビブリオとコレラ菌の生菌の検出を試みた。EMA-qPCR法は,細胞膜非透過性のDNAインターカレーターであるエチジウムモノアジド(EMA)をDNA抽出の前段階で作用させることにより,生菌由来のDNAのみを選択的に増幅することのできる方法である。本研究で,腸炎ビブリオとコレラ菌を低温・飢餓条件下で難培養状態に移行させたところ,同一菌種にも関わらず難培養状態に移行するまでの期間が5週間から8週間と差が認められた。難培養状態から培養状態への復帰に20℃または30℃の温度上昇処理がいずれの菌に対しても有効であった。一方,温度上昇処理前後のEMA-qPCRの測定結果にはほとんど差が見られなかったことから,温度上昇処理による生菌数の増加は復帰によるものであると考えられた。また,希釈後の菌液に温度上昇処理を加えてもコロニー数の増加が見られなかったことから,菌の増殖・復帰にはある程度の細胞密度もしくは菌が培養液中に放出した何らかのシグナル因子が必要であると考えられた。これにより,菌体間の情報伝達手段であるクオラムセンシングとVBNCとの関連が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低温ストレス下における腸炎ビブリオのEMA-qPCR法による定量と生菌数の関係2014

    • 著者名/発表者名
      大楽菜穂,島本 敏,島本 整
    • 学会等名
      第48回腸炎ビブリオシンポジウム
    • 発表場所
      金森ホール(北海道函館市)
    • 年月日
      2014-11-13

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公開日: 2016-06-01  

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