環境中には生きているが培養できない状態(viable but nonculturable, VBNC or VNC)の細菌が存在していることが知られていた。食品中にVBNC状態の食中毒細菌が含まれていた場合,腸管内で栄養状態に復帰して食中毒の原因となる可能性が示唆されている。 コレラ菌や腸炎ビブリオを低温・飢餓条件下で保存すると難培養状態(VBNCを含む)に移行する。これらの細菌は温度上昇処理によって栄養状態に復帰することがわかり,EMA(エチジウムモノアジド)-qPCRでその変化をモニタリングした。また,難培養状体からの復帰にはある程度の細胞密度が必要であり,シグナル因子の存在が示唆された。
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