副甲状腺ホルモン(PTH)は、カルシウムとともにリン代謝を調節するホルモンである。これまでに、ヒトにおいて、食後血清リン濃度の上昇に先行してPTH分泌が上昇することを示してきたが、そのメカニズムや意義は明らかではない。本研究では、このPTH初期分泌のメカニズムを解明し、その生理的・病態的意義を明らかにすることを目的に、モデル動物を用いたPTH初期分泌の評価系を確立し、そのメカニズムの解明を試みた。その結果、空腸下部においてリン酸輸送体を介して食事中のリンを感知し、迷走神経求心路を介した経路でPTH分泌が促進され、血清リン濃度上昇に対し速やかに腎臓でのリン再吸収抑制に働くことを明らかにした。
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