大腸発酵によって生成される水素がその還元性により食餌性肥満誘導ラットの脂肪組織で炎症を抑制する可能性を調べた。同時に持続的な大腸水素生成に必要な発酵基質量を調べた。その結果、発酵性難消化性糖質由来の大腸水素により脂肪組織中水素濃度が高まり、炎症性サイトカインであるIL-6の脂肪組織からの分泌が抑制されることを見出した。また、持続した大腸水素生成を可能にするために大腸で利用される以上の難消化性糖質を供給することが必要であることがわかった。以上より、十分量の難消化性糖質の供給は大腸からの持続的な水素デリバリーを可能にし、炎症軽減を介したメタボリックシンドローム抑制につながることがわかった。
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