研究課題/領域番号 |
26560062
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
岡田 悦政 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60224036)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 時計遺伝子 / 食用植物種子 / ヒト繊維芽細胞 / Per1 / Bmal1 / スクリーニング |
研究実績の概要 |
食用植物種子(EPS)による概日リズムのリセットは可能であるか。時計遺伝子の転写因子に変化を与えることがkeyとなる。EPSは時計遺伝子のmRNA発現を活性化するか。リアルタイムPCRによるスクリーニングを行った。 【EPSによるmRNA発現影響確認】20種のEPS抽出試料のうち、その効果が期待される試料をヒト繊維芽細胞に一定期間投与し、mRNA抽出を行いリアルタイムPCRにてスクリーニングを行いmRNA発現が増加しているか確認した。ターゲットとする遺伝子は、予算と発現量の関係からPer1とBmal1とし、それぞれのmRNAが食用植物種子によって活性化されるか検討した。 【時計遺伝子mRNA発現のスクリーニング】〈①試料の調製〉食用植物種子(EPS)は、粉砕後以下の抽出法によって抽出した。a)熱水抽出(Hot-W)b)エタノール抽出(EtOH)し、調製試料とした。(試料抽出調製担当:研究協力者 岡田瑞恵)〈②細胞の調整〉ヒト繊維芽細胞を37℃、5%CO2条件下にて、一定期間培養し、細胞の調整を行った。〈③試料投与及び培養〉一定細胞数に達した段階で、マイクロプレートに細胞を播種後、Hot-W、EtOH抽出試料を投与し、4時間培養した。〈④RNAの抽出〉調製試料を投与し培養後、各マイクロプレートwellからtotal RNAを抽出した。〈⑤時計遺伝子のmRNA発現〉④で抽出を行ったtotal RNAは、Per1とBmal1のそれぞれのmRNAを逆転写させcDNAを合成後、リアルタイムPCRにて測定し解析した。 【結果】最終的時計遺伝子のコントロール(ハウスキーピング遺伝子)に対する発現量の比較検討から、Bmal1ついては、チンゲンサイ5.9倍、キャベツ2.2倍、ホウレンソウ1.5倍、(いずれもEtOH)、レタス2.9倍、コマツナ2.0倍、コーン1.5倍(いずれもHot-W)、また、Per1は、チンゲンサイ5.9倍、ホウレンソウ2.0倍、エダマメ1.9倍(いずれもEtOH)の発現量増大を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に、問題なし。 当初の研究計画通り進行しており、研究成果も得られている。
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今後の研究の推進方策 |
【平成27年度】 EPSによる時計遺伝子のmRNA発現の結果について転写因子の定量を行う。 【mRNAの発現増加を転写因子による確認】20種のEPS抽出投与における時計遺伝子Per1、Bmal1のそれぞれの転写因子PER1、BMAL1の定量を行い、各々の時計遺伝子mRNAの発現を確認する。転写因子測定試料は、平成26年度実験において得られた細胞抽出物を-80℃で保存していた試料を使用して実験を行う。 【時計遺伝子mRNA発現の確認試験】 〈mRNAの転写因子の測定〉各EPSによる時計遺伝子活性化の結果、転写因子PER1,BMAL1が増加するかELISA法にて測定を行う(PER1,BMAL1 ELISA Kit: Antibodies)。(実験担当:研究協力者 岡田瑞恵)
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