平成27年度は、前年度の調査より抽出された日米に共通する臨床業務満足要因である「患者の栄養管理への貢献」、「同僚の管理栄養士との関係」、「他の医療者との関係」、「給与」に加え、自由記述欄にて複数名から回答のあった「臨床研究への参加」「学会発表・論文執筆の機会」「仕事を通したスキルアップ」などを新たに追加し、質問紙の改良を行い、日米での本調査を行った。また、平成26年度のパイロット調査において、日本の管理栄養士は労働意欲が高く、生産性の向上とも関連すると報告されているActiveなストレスを感じている傾向が見られた。よって、業務の要求度が高くとも生産性の向上に日々研鑽している日本の管理栄養士にとっては、本研究の目的である「質」の向上を目指し、職務の質との関連が報告されている「キャリア・コミットメント」を満足度と共に日米比較することに意義があると考えた。そこで、本調査にはBlauらにより開発されたキャリア・コミットメント尺度を含めた。 本調査の結果は現在集計中であるが、日本での回収サンプル数は600を超えており、まずは日本の管理栄養士を対象とした職務満足度尺度の完成が可能である。また、米国においては現在回答を回収中であり、回収期間終了後、米国での職務満足度尺度の完成に向けて分析を進める。また同時に、日米に共通する要因を含む、日米比較に対応可能な尺度の完成に向けて分析を進めていく予定である。
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