研究課題/領域番号 |
26560068
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
佐藤 容子 関東学院大学, 人間環境学部, 教授 (70251501)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 骨形成 / 発生 / 染色 / 鶏胚 |
研究実績の概要 |
胎児の骨形成は、発生の中でもある一時期に集中して起こるが、その詳細については明らかにされていない。本研究では、骨・軟骨染色法を発生初期胚に応用し、個体発生にともなう骨形成過程を追跡した。 まず、染色条件について検討を行った。孵卵5-18日(E5-18)の鶏卵から鶏胚を取出し、10 %ホルマリン液中で保存した。リン酸緩衝液中で内臓、眼球を取り除き、50 %エタノール、100 %エタノールに置換した。100 %エタノールを軟骨染色液(100 %エタノール80ml、氷酢酸20 ml、アルシアンブルー1 mlの割合で混合)に置換し、軟骨を青く染色した。軟骨染色液を抜き取り、95 %、50 %、20 %エタノール、四ホウ酸ナトリウム飽和水溶液に置換した。四ホウ酸ナトリウム飽和水溶液をトリプシン液に置換し、タンパク質を溶解させた。トリプシン液を硬骨染色液(0.5 %水酸化カリウム溶液100 ml、アリザリンレッドS 2 mgの割合で混合)に置換し、硬骨を赤紫色に染色した。硬骨染色液を0.5 %水酸化カリウム液に置換した後、濃度の低いグリセリン液から濃度の濃いグリセリン液に順番に浸し、最終的に保存液(グリセリン100 ml、チモール25mgの割合で混合)に置換し、保存した。 上記の染色条件で標本を作製したところ、軟骨の染色が明瞭でなかったため、硬骨染色の結果に着目してデータの整理を行った。硬骨が形成される発生段階は部位によって異なり、最も早い部位で孵卵12日(E12)から形成されることがわかった。頭部は全体的に硬骨の形成が早く、脊柱や足趾、手指などは、他の部位と比べると硬骨の発生時期が遅いことなどが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
軟骨染色は明瞭でなかったが、本研究の目的である硬骨の発生過程については、順調に解析が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
ほ乳類に解析を進めると同時に、カルシウム欠乏の影響についての実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の申請額よりも減額して支給されたため、設備備品費の見直しを行った。残額を次年度の支給額と合わせて次年度購入の物品費に当てるよう計画した。
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次年度使用額の使用計画 |
残額を次年度の支給額と合わせて、次年度購入の物品費に当てる。
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