研究課題/領域番号 |
26560071
|
研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
河合 裕一 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (00102921)
|
研究分担者 |
小野寺 章 神戸学院大学, 薬学部, 助教 (40598380)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 亜鉛輸送 |
研究実績の概要 |
2014年度の研究目的は、第一に腸管上皮細胞に発現している2種類の亜鉛トランスポーターのノックダウンベクターをそれぞれ構築することである。2種の亜鉛トランスポーターはZIP4と5であり、ノックダウンはRNAi法を用いている。これまでに、ZIP4と5用のshRNA配列のノックダウンベクターへの組込みが完了し、トランジェントな発現系でのノックダウン効果の確認を進めている。RNA発現を指標にした解析では、ZIP4及びZIP5はそれぞれ8割程度の発現低下を確認している。 第二の研究目的は、亜鉛トランスポーター非依存的な取込みを実現する亜鉛錯体の構築である。これまでに2~3つのベンゼン環に対し1つの亜鉛を含む数十種類の亜鉛錯体の構築に成功している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、ZIP4とZIP5をするためのRNAi配列を決定し、ノックダウンベクターへの組込みが完了している。また、トランジェントな発現系でのノックダウン効果の確認を進めており、RNA発現を指標にした解析ではそれぞれ8割程度の発現低下を確認している。一方、ZIP4およびZIP5の安定的なノックダウン細胞株の樹立が遅れている。これは、ZIP4とZIP5の発現低下が、細胞の生存自体に影響を与えている可能性がある。次に、亜鉛錯体の構築では、2~3つのベンゼン環に対し1つの亜鉛を含む数十種類の亜鉛錯体の構築に成功し、細胞毒性や遺伝毒性などの安全性情報に基づく候補化合物のスクリーニングは終了している。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度の計画は、細胞レベルのスクリーニングで選定された亜鉛錯体について動物を用いた安全性研究と体内動態研究を主に計画している。また、亜鉛要求性酵素の活性及び遺伝子発現を検討し、マウス個体で得られた有効性とその作用メカニズムを明らかにする。 亜鉛トランスポーターのノックダウン細胞の樹立が遅れているが、トランジェントな系でスクリーニングを進めることで、候補化合物の絞り込み、動物実験へと展開する。本研究では、以上のスクリーニングに基づき亜鉛欠乏予防に有効な候補化合物2~3種類を最終的に選定する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画が効率的に進んだため、若干の次年度使用額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
細胞株の樹立の計画が遅延しているため、この研究項目を達成するために使用する。
|