本申請は、亜鉛欠乏予防に有効な亜鉛輸送配位子の設計とそのモデル実験の確立を目的に、初年度は亜鉛トランスポーターZIP4またはZIP5のノックダウンベクターを構築した。腸管上皮細胞を用いた一過性発現系の解析では、8割程度のmRNA発現の減少を確認している。一方、初年度に設計した配列では、安定的なノックダウン細胞株の樹立に至らなかった。そこで最終年度に、再度のRNAi配列を選定し、申請期間終了後も継続してこれら細胞の樹立を進めている。亜鉛錯体の構築については、複数のベンゼン環に対し1つの亜鉛を含む数十種類の亜鉛錯体の構築を初年度までに終えている。そこで最終年度は、これら亜鉛錯体について亜鉛欠乏と関連する肥満や骨疾患への効果について動物モデルを用い解析した。その結果、肥満予防効果を示す錯体を3種、骨疾患の改善効果を示す錯体を1種同定した。
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