研究課題/領域番号 |
26560073
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研究機関 | 神戸松蔭女子学院大学 |
研究代表者 |
溝畑 秀隆 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (50446035)
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研究分担者 |
坂井 信之 東北大学, 文学研究科, 准教授 (90369728)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 消化管ストーマ / 人口肛門 / アンモニア / メチルメルカプタン / トリメチルアミン / 硫化水素 / ガスクロマトグラフ法 / エネルギー摂取量 |
研究実績の概要 |
本研究では、消化管ストーマ(人工肛門)を保有(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、回腸ストーマ)している患者と健常者を対象に、摂取した食品とにおいの強さの関連を明確にすることを目的としている。 研究内容は、基礎食を摂取した時と基礎食に「におい」の原因になりやすい食品(にんにく、たまねぎ、にら、チーズ)をいずれか1品をプラスして摂取した時に便臭がどのように変化するかを調査した。「におい」の原因になりやすい食品は、2日間同じ食品摂取後に分析した。 成分濃度は、においの原因と言われているアンモニア、メチルメルカプタン、トリメチルアミン、硫化水素をガスクロマト法で分析した。各物質における全体、健常者、ストーマ患者の平均は、アンモニア全体0.6ppm、健常者0.6ppm、ストーマ患者0.5ppm。メチルメルカプタン全体0.09、健常者0.107、ストーマ患者0.009。トリメチルアミン全体0.05、健常者0.05、ストーマ患者0.04。硫化水素全体0.61、健常者0.051、ストーマ患者0.106であった。全体、健常者、ストーマ患者を比較すると、ストーマ患者にメチルメルカプタンは低い傾向がみられ、硫化水素は高い傾向がみられた。 「におい」を強くする食品別は、にんにくはメチルメルカプタン0.11、硫化水素0.11が高くなる傾向がみられた。たまねぎはメチルメルカプタン0.005が低く、硫化水素0.056が高くなる傾向がみられた。チーズはメチルメルカプタン0.005、硫化水素0.005が低くなる傾向がみられた。ニラはメチルメルカプタン0.007が低く、硫化水素0.363が高くなる傾向がみられた。アンモニア、トリメチルアミンは、大きな差異はみられなかった。食物摂取頻度調査による1日のエネルギー摂取量は、ストーマ患者に摂取量が少ない傾向がみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、研究代表者が所属する食物栄養専攻学生(総数30)と消化管ストーマ(人工肛門)を保有している患者(総数30)を部位別(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、回腸ストーマ)である。ストーマ患者、専攻学生を対象にした達成度は、40%位である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に続き、ストーマ患者、専攻学生を対象に調査していく。健常者について、専攻学生だけでなく、年齢別、男女別も考慮に入れて進めていきたい。 各物質の分析は、病院の診察日だけでなく患者とストーマ取替え日も考慮に入れて進めて行く予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、研究代表者が所属する食物栄養専攻学生30名を予定していたが、研究協力者が10名であり、使用額が減じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に続き、ストーマ患者、専攻学生を対象に調査していく。健常者については、年齢別、男女別も考慮に入れて進めていく予定である。
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