潜在連想テストをアンケートと併用することで,「数学が嫌い」と回答していても,潜在的態度では数学を肯定的に捉えている生徒を検出することができる.中学生308名を対象に調査を行なったところ,「偽装数学嫌い」が疑われる生徒が全体の2割に達することがわかった.そこで,新たに中学生204名に同様の調査を行い,「偽装数学嫌い」の生徒に対し,教育的介入の効果を検証する実験を行った.「偽装数学嫌い」の生徒を無作為に二分し,実験群(20名)には潜在態度に関する情報を伝え,統制群(18名)にはそうした情報は伝えなかった.その結果,1年後には統制群では8名のみなのに対し,実験群では15名が数学の成績を向上させた.
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