生物多様性の三要素のうち,種の保全上重要な「種内の多様性」について,理科・環境教育において,とりあげた例は思いのほか少ない.本研究では,干潟の巻貝アラムシロの殻色パターンを用いた「種内の多様性」を認識させるための教育プログラムの開発を試みた.本種の収集・整理の結果,殻色パターンは予想以上に複雑なもので,殻色型を提示して分類させるより,ぬり絵作業による観察後,発達段階に応じたレベルで自ら分類させるほうが,教育効果が高いとの結論にいたった.本研究の成果を含む,アラムシロを用いた理科・環境教育の参考となるページを作成,公開している.
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