本課題は、科学コミュニケーションを間接的に実行し、それに基づき、研究者と社会の科学コミニケーションの方法や効果を研究することを目的としている。間接的に実行するとは、代表者がH20年から運営する「数学のジャーナリスト・イン・レジデンス」(JIR)プログラムによる。JIRでは、数学の研究に興味を持つジャーナリストなどが国内の数学研究機関に1-2週間滞在し、自由に取材を行う。H28年度は5人のプログラム参加者を得た。また、滞在先は、東京大学・名古屋大学・北海道大学であった。 また、参加者による社会への情報発信の成果も多く得られたが、一つの大きな成果として写真家による数学者を対象とした作品の展示がある。これは京都大学理学研究科で行った。これは新奇性のある取り組みであり、今後の実践・研究活動に大きくつながる成果をえた。 代表者は、この研究経過と成果について、数学のアウトリーチの集会において、講演を行った。また、そこでおおくのジャーナリストとの意見交換を行った。 また代表者は、京都大学理学研究科大学院生を主な対象に、科学ライティングの教育プログラムを開講した。そのプログラムでは、講師として、インペリアル・カレッジ(イギリス)で科学ライティングの修士号を得た人材を迎え、欧米における科学ライター養成の実際について多くの知見を得た。また、その講座における指導内容を詳細に記録した冊子を作成し、関係の研究者にも配布し、おおくの反応を得た。
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