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2014 年度 実施状況報告書

環境教育の視点を伴った小学校教材としてのミジンコに関する基礎的研究および教材開発

研究課題

研究課題/領域番号 26560090
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

笠原 恵  兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (20243347)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードミジンコ / 小学校プール / 環境教育 / 教材開発
研究実績の概要

新学習指導要領では, 環境教育の一層の推進の観点から, 地域の特性を生かし, 環境学習の充実を図ることが重要視されている。 小学校理科 5 学年には, “水中の小さな生物”の実験・観察が新しく導入され, 実感を伴った学習が推進されている。しかし, 教育現場では, 材料の準備の困難さなどにより, この実験・観察に不安を持っている教員が多い。そこで, 身近な生態系の一 つとして, また実験材料を入手しやすい場所として学校プールを想定し, そこで採取できる動物プランクトンであるミジンコに着目し, 教材開発を行うことを目的とした。
まず, 今年度は入手先の候補場所である小学校プールのプランクトン調査を行った。兵庫県南部にある小学校2校での調査を行った。都市部にある小学校と比較的周囲に自然環境が残っている小学校の小プールについて行った。2校とも、秋にはウスバキトンボのヤゴ、マツモムシ、ワムシ、緑藻、珪藻などが見られ、水泳指導後のプールには、多くの生物を育む生産力があることが明らかとなった。ミジンコについては, 周囲に自然環境が残っている小学校の小プールからのみ採取でき, その形態観察とミトコンドリアDNAの解析によりDaphnia pulexであると同定した。
次に, 兵庫県内で採取したミジンコ(Daphnia pulex)の飼育条件の検討を行った。オオミジンコ(Daphnia magna)の毒性試験で使用されている培養液(M4, M7)(OECD Guideline,1984) がミジンコ(Daphnia pulex)にも使えるかどうか検討を行った。その結果, M4培養液でクロレラを餌とし, 20℃, 長日条件下(明14時間, 暗10時間)で, 飼育密度が50mLに1匹の環境が最も繁殖力が高く最適条件であることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の研究計画は(1)小学校プールのプランクトン調査と(2) ミジンコの最適飼育条件の検討である。(1)については, プランクトンの入手先候補場所としての小学校プールのプランクトン調査を継続して行うことができており, 1校からミジンコの採取ができ, 種の同定も完了した。また, 平行して行っている(2)に関しては, 兵庫県内で採取したミジンコ(Daphnia pulex)を使い, 最適飼育条件の検討も行うことができた。学校現場での飼育条件についても継続実施中であり, これまでのところ順調に研究を実施できている。

今後の研究の推進方策

小学校教材としてのミジンコの教材開発のためには, ミジンコのライフサイクルの中での有性生殖を行うための雄の誘導条件や, 休眠卵の産出条件およびその休眠卵の孵化条件の検討が必要であり, 今後, それらについて検討していく予定である。また, 環境教育の実験材料を入手しやすい場所として小学校プールを想定しているため, 平成26年に引き続き, 小学校プールのプランクトン調査を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会開催地が四国であったため, 旅費に差額が生じた。

次年度使用額の使用計画

次年度の学会開催地は関東であるため, その旅費として使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 小学校プールの生産力とその利用法について2015

    • 著者名/発表者名
      吉田 愛美, 渥美 茂明, 笠原 恵, 山野井 昭雄
    • 雑誌名

      兵庫教育大学学校教育学研究

      巻: 27 ページ: 77~80

  • [学会発表] 小学校プールの生産力と教材化について ーPart2-2015

    • 著者名/発表者名
      吉田 愛美, 笠原 恵, 渥美 茂明, 山野井 昭雄
    • 学会等名
      日本生物教育学会
    • 発表場所
      愛媛大学教育学部
    • 年月日
      2015-01-11

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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