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2015 年度 実施状況報告書

超小型衛星による超広角宇宙撮影ミッションの宇宙実証

研究課題

研究課題/領域番号 26560091
研究機関静岡大学

研究代表者

能見 公博  静岡大学, 工学部, 教授 (20325319)

研究分担者 松村 雅文  香川大学, 教育学部, 教授 (50239084)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード科学教育 / 人工衛星
研究実績の概要

本研究で開発する教育利用を目的とするCubeSatについて,昨年度開発を進めた「撮影・画像処理システム」,「姿勢制御システム」,「高速無線システム」をフライトモデルに搭載する仕様として開発,フライトモデルに搭載した.撮影・画像処理システムについては,連続撮影機能を有するシステムであり,CubeSatの機能制約の中で,星が点として写る短い露出時間の画像を,複数枚に重ね合せて露光時間を積分する処理は地上においてオフラインで実施する計画である.姿勢制御システムについては,ジャイロセンサ(角速度)および磁気センサによる磁気トルカフィードバック制御法を搭載した.高速無線システムについては,これまでの通信速度1200bpsに対し,9600bps(8倍の速度)の通信速度を可能とするシステムを搭載した.
なお,本研究は理科教育への展開を大きな目的としていることから,日本天文学会や天文教育普及研究会においてコミュニティを作り,得られた画像をどのように教育現場で使うことができるか,さらにより効果的な活用法等について検討している.H26年度にこれらのコミュニティと積極的に交流し,H27年度に「小型衛星の科学教育利用を考える会」を立ち上げ,第一回を8/21-22に北海道大学において(9件の発表),第二回を3/21に平塚市博物館において(10件の発表)開催した。 これらの開催を通して,大学等で開発する超小型衛星を中心にどのような教育展開が行われているかの情報交換ができ,さらに問題点,今後の課題なども議論された.さらに第二回においては総合討論の時間を設け,教育を目的とした超小型衛星開発について議論を行った.H28年度にはこの活動をさらに活発に進め,教育を目的とした超小型衛星開発を実現していく方向で議論を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「撮影・画像処理システム」,「姿勢制御システム」,「高速無線システム」を搭載したフライトモデルの開発は達成している.また理科教育への展開に関しては,「小型衛星の科学教育利用を考える会」を立ち上げることができ,人工衛星に特化した教育分野での情報交換,交流ができ予想以上の成果を得ることができている.
しかしながら,CubeSatとしてのフライトモデルは,当初計画していた宇宙撮影が可能かについては更に検証する必要地がある.機能的には達成可能なものとしているが,とくに姿勢制御機能について精度的に満足するかは軌道上実験を実施して評価する必要があることとなった.なお地上環境における動作試験,具体的には「撮影・画像処理システム」は大気が安定する時期(秋から冬),場所(山上など)において実施すること,また「姿勢制御システム」のアクティブ制御についてセンサ・アクチュエータの動作評価について,継続して実施していく.
上の理由から,上記区分の評価とした.

今後の研究の推進方策

CubeSatとしてのフライトモデルは,当初計画していた宇宙撮影が可能かについては更に検証する必要があるため,地上環境における動作試験,具体的には「撮影・画像処理システム」は大気が安定する時期(秋から冬),場所(山上など)において実施すること,また「姿勢制御システム」のアクティブ制御についてセンサ・アクチュエータの動作評価について,継続して実施していく.また軌道投入後には,宇宙実験として宇宙撮影を実施し,その画像を評価していく.
理科教育への展開に関して大きな成果を上げている「小型衛星の科学教育利用を考える会」は引き続き活動を活動を行っていく.H28年度内に2~3回の開催を計画,ローカルな会議を開催していくこととし,科学教育における超小型衛星の利用法を詰めて行く.その中で宇宙撮影に関しても議論し,CubeSatクラスで実現可能なカメラシステムは引き続き検討,技術開発を実施していく.
さらに公開天文台の観望会は集客力があるため,研究代表者らにより構築している公開天文台を基本とするコミュニティ「STARS地上観測ネットワーク」の関係者と議論を行い,天文台の観望会に参加する人たちは宇宙に興味を持っていることから,観望会と同時に超小型衛星に関する内容,イベントを取り入れていく計画を詰めて行く.また天文,教育関係の学会,研究会は多く開催されており,これらのコミュニティとの情報交換,交流をするとともに,国外の関連分野の動向を調査していく.

次年度使用額が生じた理由

小型衛星の科学教育利用を考える会への旅費に充てる予定であったが、当該予算金額が不足であったため、他の経費により出張を行った。また、個別打ち合せにも旅費がかかることが想定されていたが、上記会合で主要メンバーとは直接議論できたこと、テレビ会議により直接打ち合わせ以外の手段を効率的に利用できたことから、旅費支出はなかった。

次年度使用額の使用計画

本課題に関する研究を進めるため、次のように使用する計画である:(1) 旅費:第60回宇宙科学技術連合講演会(2016年9月)への参加と講演:この会では、「小型衛星の科学教育利用」というオーガナイズドセッションが予定されている。このセッションに参加して本課題に関する研究の状況を報告し、関連する事項についての情報収集を行う。(2) 消耗品:プリンタートナー、メディア媒体等を購入する。このように使用し、本課題の研究を進める。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 備考 (3件)

  • [学会発表] 星間偏光の定量的解釈と整列機構のレビュー2016

    • 著者名/発表者名
      松村雅文
    • 学会等名
      セミナー型ALMAワークショップ
    • 発表場所
      東京都三鷹市・国立天文台
    • 年月日
      2016-03-30 – 2016-03-31
  • [学会発表] 静岡発!宇宙に飛び出そう 人工衛星開発 in 浜松2015

    • 著者名/発表者名
      能見公博
    • 学会等名
      子ども宇宙教室2015
    • 発表場所
      静岡県焼津市・ディスカバリーパク焼津天文科学館 プラネタリウム
    • 年月日
      2015-11-07
    • 招待講演
  • [学会発表] 高銀緯分子雲MBM 30とMBM 20の可視偏光とサブミリ波データとの比較: 星間塵粒子の整列機構の考察2015

    • 著者名/発表者名
      松村雅文
    • 学会等名
      日本天文学会2015年秋季年会
    • 発表場所
      兵庫県神戸市・甲南大学
    • 年月日
      2015-09-09 – 2015-09-11
  • [学会発表] 学校での学習内容と小型衛星2015

    • 著者名/発表者名
      松村雅文
    • 学会等名
      第1回小型衛星の科学利用を考える会
    • 発表場所
      北海道札幌市・北海道大学
    • 年月日
      2015-08-20 – 2015-08-21
  • [学会発表] 超小型衛星STARSの地上観測~STARS-C観測に向けて~2015

    • 著者名/発表者名
      能見公博
    • 学会等名
      日本公開天文台協会(JAPOS)2015年第10回全国大会
    • 発表場所
      岐阜県安八郡安八町・生涯学習センターハートピア安八天文台
    • 年月日
      2015-06-30
  • [備考] 小型衛星の教育利用を考える会

    • URL

      http://uchiyama1.ed.shizuoka.ac.jp/~sess/

  • [備考] STARS EDUCATION WEB SITE

    • URL

      http://uchiyama1.ed.shizuoka.ac.jp/~stars_education/wordpress/

  • [備考] STARS PROJECT

    • URL

      http://stars.eng.shizuoka.ac.jp/

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公開日: 2017-01-06  

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