本研究で開発する教育利用を目的とするCubeSatについて,単独での打ち上げ機会を得ることができなかったため,「撮影・画像処理システム」,「姿勢制御システム」,「高速無線システム」を他実験を含む衛星に相乗り実験として搭載し,当該衛星の打ち上げを行った.しかしながら打ち上げた衛星は,平成29年3月時点で通信系(通常通信,高速無線システムではない)に問題があるため,その原因究明および対策を実施中である.通信系が正常になり次第,本研究のミッションを実施する予定である. また天体観測を主ミッションとする教育利用を目的とするCubeSatについては,別途設計開発を進めてきており,設計は完了した段階である.CubeSatは打ち上げロケットにより要求される仕様が異なるため,打ち上げロケット決定後に製作を行う計画である. なお,本研究は理科教育への展開を大きな目的としていることから,初年度に日本天文学会や天文教育普及研究会と技術交流を行い,H27年度に「小型衛星の科学教育利用を考える会」を立ち上げ,第一回を平成27年8/21-22に北海道大学において(9件の発表),第二回を平成28年3/21に平塚市博物館において(10件の発表),第三回を平成28年8/24-25に京都市立京都工学院高等学校において(11件の発表+パネルディスカッション),第四回を平成29年3/18-19に九州工業大学において(11件の発表+パネルディスカッション)を開催してきている.工学部・教育学部・理学部の教員,高専・高校の教員,科学館・博物館・天文台の職員,アマチュア技術家など幅広い分野からの参加があり,充実した議論ができていることから半年に一回開催してきており,継続的な開催の要望も多いため,今後も継続していく計画である.
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