研究課題/領域番号 |
26560092
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹田 正幸 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (50216909)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 科学リテラシー / 情報の理 / アンプラグド教材 / 情報科学 / 科学教育 |
研究実績の概要 |
現代社会における情報通信機器の浸透は著しく,社会インフラを支える情報通信技術の基本原理について,初等・中等教育から高等教育までの一貫した体系的な教育を行うことは,極めて重要である.2013年に衣替えした高等学校の教科「情報」では,単なる「ソフトの使い方」を脱し,「情報の科学的理解」を重視している.しかし,現場においては「情報の科学」の内容が難しく担当できる教員が少ない等の理由で,依然として多くの高校がワードやエクセルの使い方に終始しているのが実情である.本研究では,「情報の科学的理解」を純化した「情報の理(ことわり)」を探求する学問である情報理学を,現代人に必須の科学リテラシーとして,広く一般に浸透・定着させるために,教育プログラムや教材・教具の研究開発を行うことを目的とする. 1年目であるH26年度は,九州大学基幹教育「情報科学」の講義で使用する教材の充実を目指し,情報理論と計算理論の重要なトピックについてわかりやすい教材を開発するとともにそれを講義で実践しフィードバックした.これについては,日本情報科教育学会等で研究発表を行いレビューを受けている. また,一般市民への科学リテラシー教育のために,上記の教材を基礎としてさらに噛み砕いた教材を作成し,その実践をサイエンスカフェで行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
H26年度は,新たな教材の開発を行うとともに,H26年度前期の九大基幹教育の講義において実践し,得られた反応をフィードバックして教材を改善し,後期の講義に反映させている.複数の教員で担当しているため,SNSやE-mail等で情報を共有している.また,日本情報科教育学会において口頭発表およびデモ発表を行うとともに,開発したWebアプリの一般公開し,主として高校教員に使用してもらっている.このように,本研究プロジェクトは当初計画以上に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
2年目であるH27年度は,情報理論と計算理論に加え,人工知能理論分野について教材を充実させ,学生の興味を惹きつけながら同時に深い理解に繋がる教材を開発する。また大学の講義内での実践を通じて教材の評価を行い,改善を行っていく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進展に伴い、H27年度にまとめて大掛かりな教材作成を行うこととした。 このために、研究費をある程度H27年度に集中させる必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
教材作成に必要な材料等の購入に必要な物品費と教材作成を担当するテクニカルスタッフや学生アルバイトを雇用するための人件費の一部に充てる。
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