研究課題/領域番号 |
26560095
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
高橋 哲也 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (20212011)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大学数学教育 / ICTコンテンツ / 教育コンテンツデータベース / 数学的リテラシー |
研究実績の概要 |
本研究では、大学生向けの数学教育に関するコンテンツの体系的なデータベースの構築と学習者・教員の双方に適した検索システムの開発を試行的に行い、この種のデータベースのあり方とその組織的運用についてのモデルを示すことを目指している。 平成26年度においては、国内外のICTを用いて提供されている数学コンテンツの収集・分類を行った。特に、国内のコンテンツについては、日本数学会の教育委員会を通じて、国内の大学での数学教育におけるICTリソースについてのアンケート調査を実施した。83大学から回答があり、ICTリソースを有する大学は全体の約3分の1の28大学であり、全学で使えるものが20大学、部局で使えるものが10大学(2大学が両方に置かれていると回答)であった。本アンケート結果については、数学通信第19巻第4号(http://mathsoc.jp/publication/tushin/1904/kaiho194-ICT.pdf)に詳しい報告が掲載されている。本調査から多くの大学で利用されている状況が明らかになったが、これらのコンテンツを学会のウェブサイトで紹介することについては学会という組織が行うには信頼性の担保等の懸念が大きく困難であるという結論となった。今後、データベースの構築後の継続性について、来年度以降、別の方策を検討していく。 また、ICTコンテンツを数学的リテラシー能力の達成度評価に活用可能かを検証するため、株式会社ベネッセホールディングスとの共同研究として数理活用力を測定するウェブでのテストを試行的に本学で実施した。本研究の結果については大学での他の調査データとも結合して分析し、今後ベネッセホールディングスと協議の上公表していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
数学コンテンツの収集・分類、さらに独自の開発については順調に進展しているが、公開したあとの継続性の問題からデータベースの設計を見直す必要が生じたため、データベースの設計・構築の部分の進捗が予定より遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
数学教育に関するICTコンテンツの収集と分類については今後も継続して実施する。データベースの設計については、構築後の継続性を考えると当初の設計のままでは難しいことが分かってきたので、そのコンテンツの価値自体をユーザ側が評価するような形式を考える必要があり、27年度はこの点を中心課題として研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
データベースの設計を見直すこととなり、データベース構築のためのPCの購入を次年度に廻したため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初、26年度に購入予定であったPCを27年度に購入し、データベースのプロトタイプの構築を行う
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