研究課題/領域番号 |
26560097
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
木下 順二 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70161023)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 物理教育 / 医学教育 / 能動学習 |
研究実績の概要 |
平成26年度後期に東京女子医科大学(以下女子医大)と東京医科大学(以下東京医大)で選択科目「人体の物理学」を開講した。それに合わせて、授業前の予習を課すためにテキスト(本文172頁)を作成した。テキストは、すでに女子医大で実施経験のある選択科目、テュートリアル課題資料などを用いることで、約8割を平成25年度までに完成させていた。そのため、今回の授業計画を勘案して残りの2割を付け加えることで、平成26年8月末までに原稿を完成させ、冊子を印刷して配布することができた。選択科目の履修者は女子医大で3名、東京医大で30名であり、予定より少なかったが、実施には支障がなかった。クリッカーシステムを導入し、30人までの教室でクリッカーを用いた能動学習が可能になった。 クリッカーを用いたピア・インストラクションやグループ討論などの能動学習を行うため、PowerPointの教材に組み込んだ形で、クリッカーでの質問、および個人・グループでの課題を開発した。初回「物理量と人体」は1回完結だが、「力と身体バランス」から「光と視覚」までは一つのテーマに2回の講義を当て、1回目は質問5題と個人課題、2回目は質問2題とグループ課題および個人課題を行うようにした。また、授業で用いる演示実験の教材を開発し、毎回1回は演示実験を入れるようにした。 学生からは予習シート、評価シートを提出させ、その中に各課題へのアンケートも埋め込んである。最終回には授業評価のための詳しいアンケートを行った。また、グループ課題の解答もグループごとに提出させている。この他、クリッカーで収集した学生の回答データがある。学生の授業に対する総合的な評価の平均は5段階で4.3とかなりよい。平成27年度はこれらのデータを分析し、それに基づいて教材や授業の進め方を改善していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の目標は、テキストを完成させ、最低限の教材を作成して授業を行うことであった。一通りの教材を作成して授業を実施できたため、おおむね順調と判断した。データの分析は平成27年度に行う。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に開発した教材は、学生の評価などのデータに沿って改良する必要がある。このため、平成27年度はまずデータの分析を行う。また、平成26年度は能動学習としての要素が不十分で、講義の時間が長めだったことと、グループ討論が必ずしもよく機能していなかったことなどが反省点として挙げられる。これは、自習を促すための仕組みが不十分であったためと考えられる。平成27年度は、自習用の演習問題を充実するため、教材作成用のソフトウェアを購入する予定である。また、グループ討論のやり方を改善するために、討論を効果的にするツールを導入する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
印刷費が予定より多くかかったため、教材購入などを次年度に回すことにしたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
教材の購入・作成を進め、映像編集やWEB教材への組み込みなどを行う予定である。
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