本研究の成果には、題材とした原子力発電の是非判断用の教育に関するものと、意思決定支援のための環境教育手法の構築自体に関するものがある。前者では、既存の一つの学問領域からは不可能な学際的な教材をまとめ上げたこと自体が最大の成果である。後者に関し、国内外の環境教育分野に関するレビューで、意思決定支援ないし判断力を促すための教育の枠組みは見当たらなかった中で、そうした枠組みを構築し、有効性を検証できたことが大きな成果である。前者からは原発による経済効果や世代間倫理に関する研究等の芽が、後者からは他の題材による教育枠組みの普遍化に関する研究等の芽が多数ある。
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