研究課題/領域番号 |
26560111
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
渡辺 裕文 独立行政法人農業生物資源研究所, 遺伝子組換え研究センター, 研究員 (10355745)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 無細胞発現系 / シロアリ / セルラーゼ / 遺伝子組換え / 組換え生産 / 体験 / ウサギ網状赤血球 / cDNA |
研究実績の概要 |
本研究はヤマトシロアリを材料として,野外でのサンプルの採集,mRNAの抽出と逆転写反応,目的cDNA(セルラーゼ)の増幅とそれを鋳型としたタンパク生産の一連の流れを組換え体の管理が必要ない無細胞発現系を活用して非研究分野の受講者に有用タンパクの組換え生産を体験していただくことを目的としている。 初年度(本年度)はウサギ網状赤血球無細胞発現系のうちPCR産物を直接鋳型とできるプロメガ社製キットを使用した。ヤマトシロアリ唾液腺セルラーゼ成熟タンパクコード領域のN末端側配列5’側に発現用プロモーター配列を付与したプライマーとC末端プライマーで既存のヤマトシロアリ唾液腺セルラーゼcDNAを増幅し,これを鋳型として上記キットで発現を行ったところ,発現系溶液中にセルラーゼ活性が生ずることを確認した。発現反応後の溶液をSDS-PAGEで展開し抗シロアリセルラーゼ抗血清を反応させたところ予想されるサイズのバンドが抗血清と反応した。結果,ヤマトシロアリ唾液腺セルラーゼをこの無細胞系で発現することを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シロアリ唾液腺セルラーゼの発現生産に適した発現系を各種無細胞発現系から選択する予定であったが,最初に試したPCR産物を鋳型に使用できることをうたったプロメガのキットが非常に好適であることが短期間で確認できた。またPCR産物の精製は全く必要なく(むしろ精製すると発現量が格段に低下した)さまざまなキットを試す必要がなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ヤマトシロアリ生体から実際にmRNAを抽出し逆転写反応を行い,生成したファーストストランドcDNAをテンプレートに27年度に設計したプライマーを使って唾液腺セルラーゼcDNAを増幅し,ウサギ網状赤血球無細胞発現系での発現と電気泳動活性染色によるセルラーゼ活性確認までの実験系を作成し,29年度には作成したキットを実際に非研究分野の被験者に試していただくようにする。
(※残念ながら諸般の事情により本プロジェクト自体が中止になりそうである)
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次年度使用額が生じた理由 |
入札による試薬の割引などにより当初の想定より試薬類が安価に納入されたため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に合わせて必要な消耗品を購入する。
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