本研究では,初学者自身によるプレゼンテーションスライド推敲の支援として,2つの有望ソース 「聴衆によるスライド要点の目視追跡行動」と「スライドデータ自体に内在する特徴」から,スライド問題箇所を抽出・提示するメカニズムの開発を目的とする.そのために,性質の異なる上記2ソースについて,視線動向分析,スライド構成特徴分析をベースとする問題要因抽出手法をそれぞれ開発する.さらに, 両者を連携させたハイブリッド分析手法を開発する.その上で,本メカニズムを導入した支援システムのプロトタイプを実装する.これにより,これまで活用が難しかった身近な複数ソースを活かしたスライド問題箇所推定・提示による実効的スライド推敲支援の実現可能性を探る.
27年度は,主に,ハイブリッド分析メカニズム・システム開発に取り組んだ.まず,これまでに開発した聴衆の視線動向,スライドの構成的特徴それぞれの分析による問題箇所抽出手法を連携させたハイブリッド分析手法を開発した.次に,開発した手法を基に,ハイブリッド分析システムのプロトタイプの開発に取り組んだ.その上で,実際のプレゼンテーションにおけるスライドデータ,視線データを用いて実験を行い,提案手法の特徴の検証と課題含めた知見の整理を行った.
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