研究課題/領域番号 |
26560124
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
大場 みち子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30588223)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | writing / measurement / analytics / text production / 作文 / 測定 / 分析 / 文章産出 |
研究実績の概要 |
本研究では、作文(文章産出、文章作成)に関するさまざまな研究・業務分析の基盤とするために、ワープロなどによるライティングプロセスを測定する技術を開発している。測定にあたってはITを使う作文をモデル化し、それをマトリックス型文章編集モデルと呼んでいる。
2014年度は、 1 モデル化のためにライティング指導法や業務帳票を調査した。標準化によって学習分析(Learining Analytics)の相互運用性の確立を目指しているEDUPUBや、EPUBなど電子書籍での読書測定の動向を調査した。マトリックス型文章編集モデルは現時点では抽象的なものだが、定式化にあたってはEDUPUBの考え方を取り入れる方針である。 2 モデルのリファレンス実装として、文章エディターと測定データのモニターを開発した。エディターは3種類開発して使用している。1つはモデルのフルセットを実装した汎用の「マトリックス・ライター」で、予稿・論文執筆などさまざまに使用している。1つはロジカルライティングの講義用の「トピック・ライター」で、実際に講義で使用した。もう1つは、書籍執筆を想定した「エピソード・ライター」で、それぞれがブログの記事となっているエピソード群から全体構成を作り上げるものである。 3 ケーススタディとして、「トピック・ライター」を大学のロジカルライティングの講義で使用して、測定データを収集した。モニターによって測定データを分析したところ、受講生の作文行為を2つのパターンに分類でき、指導の観点から評価できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデルの定式化(仕様記述)にあたって方針を見直している。抽象的な編集操作モデルを記述するのではなく、測定データの仕様を記述する方針である。このため、1つのリファレンス実装のプログラム構造を整理するよりも、複数タイプのリファレンス実装を開発して測定データ例の種類を増やす方針である。仕様の定め方(定式化)については、EDUPUBの動向にも引き続き注目する。
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今後の研究の推進方策 |
2015年度は、 1 EDUPUBを中心に、learning analyticsについて、特に標準仕様の定式化方法の動向を調査する。公開データの仕様書のドラフトを作成する。 2 リリース済みリファレンス実装の改善を進める。また、別用途のエディター(リファレンス実装)を追加開発する。 3 測定データ取得実験は、第2、第3ラウンドを実施する。取得した測定データを分析する。測定データ(および文章編集モデル)を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度,クラウド環境で実験システムを開発することにし,当初今年度購入予定だった開発用サーバと運用・評価用サーバの購入を次年度に繰り越したため,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
開発用PCサーバ 250千円, 運用・評価用PCサーバ 250千円
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