研究課題/領域番号 |
26560126
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
永井 正洋 首都大学東京, 大学教育センター, 教授 (40387478)
|
研究分担者 |
藤吉 正明 首都大学東京, 学術情報基盤センター, 准教授 (20336522)
畠山 久 首都大学東京, 学術情報基盤センター, 助教 (20725882)
貴家 仁志 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (40157110)
渡辺 雄貴 東京工業大学, 教育革新センター, 准教授 (50570090)
上野 淳 首都大学東京, 学長 (70117696)
福本 徹 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (70413903)
加藤 浩 放送大学, 教養学部, 教授 (80332146)
池田 輝政 追手門学院大学, 基盤教育機構, 教授 (90117060)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 反転授業 / 予習 / eラーニング / 動画教材 / 算数学習 / アクティブ・ラーニング |
研究実績の概要 |
我が国では,次期学習指導要領の改訂に向けて,アクティブ・ラーニングが一つの柱として掲げられている.これは,児童・生徒の意識調査から,現在の学校における指導形態に改善の余地があることからも頷ける.一方で,児童らが主体的・協働的に学ぶためには,限られた時間を有効に活用する必要がある.そこで,児童・生徒が家庭で過ごす時間も含め,学校での学習と密接に連続した学習環境を検討すると共に試行した.検証の結果,児童の予習実施状況の記録やワークテストの得点から学力向上に一定の効果があることが明らかになった.また,児童にとって予習動画教材が家庭学習の促進や対面授業の理解や評価の誘因になっていることが児童及び保護者に対する調査から明らかになった.一方で,定性的に明らかになった思考力や表現力の向上については,ワークテストでは顕著に効果を見出すことができないことから,更なる検証が必要である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,先行研究におけるブレンデッド・ラーニングに注目するとともに,学校の授業とより密接な形で家庭での学習を展開し,授業における学習が知識の活用や議論の場となるよう「予習」の時間を意図的に設けることを提案している.すなわち,小学校の算数教育において,「反転学習」(flipped classroom)を行い,その効果的な方略に関してアクション・リサーチを通して明らかにすることを目標としてあげている.そして,これらについては,東京都内公立小学校にて教育実践を展開し評価も行っていることから,おおむね本研究は順調に進展していると考えている.
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では,「反転学習」として,予習段階の家庭学習で「習得」する力を養う方略として「自力解決」を誘発することを重視し,当初は,自分のペースで学べるプラットフォームをMoodleベースで開発し,初等教育版MOOC とする予定であった.これにより,小学校において効果的な「反転学習」を展開し,対面授業時での活用力の育成を考えた.また,教材を共有することにより,教員の教材作成に係る労力を削減することや,反転学習を通しての家庭と学校との連携,更には,学習者が残した学習履歴を蓄積し可視化することによる授業改善を期待した.ここで,これらのことは,参加校があまり多くなければ,現在のeラーニングシステムで代用可能であり,実験的要素の濃い本研究では,eラーニングシステムによる効果検証を今後行う予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
主な理由は,当初,小学校版MOOCのプラットフォーム開発経費を計上していたが,予算内におさめることが困難となった.そのため,現在,運用中のeラーニングシステムによって代替利用を実施したが,その結果,予算額と比較して執行額が縮小した.
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額については,小学校版MOOCのプラットフォームとして利用予定であるeラーニングシステムの拡張・改修のための経費として執行する予定である.
|