| 研究課題/領域番号 |
26560127
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| 研究機関 | 千葉工業大学 |
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研究代表者 |
仲林 清 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (20462765)
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| 研究分担者 |
田中 孝治 北陸先端科学技術大学院大学, その他の研究科, 助教 (60583672)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 教授法開発 / メタ認知 / 自己調整学習 / 熟達化 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，大学生レベルの学習者が自らの学習や熟達化の過程を振り返り，メタ認知や学習方略の活用をより意識的に行えるようになることを支援するための教授設計に関するものである．学習・熟達化過程のケースを観察させ，このケースを自己の経験ならびにメタ認知や熟達化に関する学術的な知識と対比して分析させる．ケースには登場人物の失敗や成長の過程を扱ったドキュメンタリービデオを用いる．分析結果はレポートとして提出させ，さらに他学習者のレポートとの比較・吟味を行わせる．このような過程を通じて，自らの学習・熟達化経験と学術的・体系的知識とを結びつけて内省・概念化する機会を与え，以降の活動におけるメタ認知や学習方略の意識的な活用を促進させようとするものである．今年度は，学習主題の詳細化と使用するドキュメンタリービデオの選定・分析を進め，小規模な実験を行った．
「学習主題の詳細化」については，学習におけるメタ認知，自己調整学習や熟達化の分野での知見から，自己モニタリング・自己コントロール，方略に関するメタ認知的知識，自己効力感などが考えられ，次のドキュメンタリービデオの選定・分析と並行して検討を進めた．
「ドキュメンタリービデオの選定・分析」では，今年度は，NHKの「目撃日本列島」というドキュメンタリーシリーズの「負けて強くなれ 愛媛・将棋道場の日々」という番組を用い，上記の学習主題に沿って登場人物の行動や言動を解釈・分析した．この番組の登場人物は，将棋道場の指導者とそこに通う中学生の少年である．このドキュメンタリーにおける少年の言動を自己調整学習の観点から解釈した．これによって，自己内省段階における防衛的なマイナスの感情，予見段階に向けての適応的決定の欠如，遂行段階における方略や過程に関するセルフ・モニタリングの欠如などを抽出した．
この結果をもとに大学院生9名を対象とするビデオ視聴の予備実験を行った．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた学習主題の詳細化と使用するドキュメンタリービデオの選定・分析を進め，予備実験で今後の見通しが得られたため．
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| 今後の研究の推進方策 |
実施した予備実験の結果をもとに，実際の大規模授業での実践を行う．予備実験では1回のビデオ視聴としたが，以下のような授業設計で，ビデオ視聴とレポート提出を繰り返す授業設計とする．
1) 自己評価，遂行過程の内省，熟達化の段階，などに関する学術的知識を説明する
2)「なぜ指導者は棋譜を付けるように少年を指導したのか」，「なぜ少年は慣れた戦法を止めようとしたのか」，「なぜ少年は自分から棋譜を付けようと考え直したのか」，などの観点を示してビデオを視聴させる．
3) 視聴前に説明した知識や自らの同様の経験を踏まえて，上記の観点に沿ってレポートにまとめるよう指示する．
題材として予備実験に用いた「負けて強くなれ 愛媛・将棋道場の日々」を想定しているが，他の題材も並行して検討する．また，社会人を対象とする「学び方の学び」の学習支援についても研究の枠組みや基礎となる理論について共通点を検討しながら進める．
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