大学生が,自らの学習過程を振り返りメタ認知や学習方略を意識的に活用することを支援する教授設計と実践を行った.学習者は,登場人物の学習過程を扱ったドキュメンタリーを視聴し,自身の経験や学習理論と対比して解釈・分析する.これをレポートとして提出し,さらに他学習者のレポートと比較・吟味し,これによって学習経験と学術的知識とを結びつけて内省・概念化する.複数年にわたって授業実践を行い,(1)自己効力感,自己調整などの質問紙調査と授業評価に正の相関があること,(2)授業後に,自身の学習の工夫について自己調整的な記述をした学習者は,学びに関する考え方の変化にメタ認知的な傾向があること,などがわかった.
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