研究課題
本研究の目的は、事後ではなく、授業中や実験中、実技中、鑑賞中、参観中の「その場」、「その時」の生徒の注意・関心・了解度を自動または半自動で推定することにある。最終的には、この推定結果を学習中の教授者・学習者双方にフィードバックし、より効果的で効率的な学習支援技術を打ち立てることを目指す。自然科学、なかでも実験科学には、反応や作用が行われている「その場」「その時」の情報と、それを獲得するための技術の重要性を示す”in situ”なる概念があるが、これを敷衍して、まさに学習の現場での学習者の状況をin situに把握し推定する技術を、確立することにある。しかも、従来は熟練の教師の勘・経験に頼らざるを得なかったこれら情報の、機械による定量化を図る。この目的のため、平成26年度は以下の2項目について研究に取り組み、進展を得た。1)(見ている学習者の観察)学習者自身を観察することによる視線の検出と追跡、頭部の3次元位置・姿勢の検出と追跡2)(注意・関心の度合いの裏付け)皮膚表面電導度応答計測技術の導入、皮膚表面電導度応答と視線停留頻度・時間との相関、関連付け
2: おおむね順調に進展している
上記「研究実績の概要」で述べたように、平成26年度は以下の2項目について研究に取り組み、進展を得た。1.見ている学習者の観察、2.注意・関心の度合いの裏付け付け。これらのうち、1.については、学習者自身を観察することによる視線の検出と追跡について、特に頭部の向きと視線との関係について進展が得られた。この成果については既に国内学会で発表を行い、国外学会での発表も準備中である。2.については、皮膚表面電導度応答計測技術の導入を図り、進展が得られた。特に皮膚表面電導度応答と視覚的注意との相関、皮膚表面電動度応答と瞬目との関連について、実験結果を伴う形で明らかにすることができた。これらの成果については既に国内学会ならびに国外学会で発表を行った。以上が、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した理由である。
前年度開発の諸要素技術およびそれらの組合せについての予備実験を行い、妥当性の検証を図る。具体的には、見ている学習者と、見られている対象の検出、追跡、理解についての予備実験に注力する。このために、諸要素技術の統合技術を開発し、統合を図る。
未使用額が少額のため、翌年度へ繰越
前年度の使用額を請求した際の未使用額は、1,000円未満なので、使用計画に差が生じるほどではない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
International Journal on Smart Sensing and Intelligent Systems(S2IS)
巻: 8 ページ: i印刷中
Proceedings of the 2014 IEEE International Conference on Robotics and Biomimetics (ROBIO2014)
巻: USB ページ: 2449-2454
Proceedings of the 8th International Conference on Sensing Technology (ICST 2014)
巻: USB ページ: #S13B-1 (1)-(4)