研究課題/領域番号 |
26560131
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
林 容市 法政大学, 文学部, 講師 (40400668)
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研究分担者 |
泉 重樹 法政大学, スポーツ健康学部, 准教授 (10438955)
高橋 信二 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50375482)
速水 達也 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (50551123)
林 園子 法政大学, スポーツ健康学部, 助教 (70633585)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 身体感覚 / サイバネティクス / テスト・バッテリ |
研究実績の概要 |
最終年度の平成28年度は,主観的努力感に基づく最大下レベルの跳躍テストを対象に調整力の指標としての信頼性・妥当性の検証を進め,平行して選択課題を含んだ手指・上肢動作の調整力を測定するテストの開発を行った。 前年度に実施した最大下レベルでの主観的努力感に基づく垂直跳びを対象動作とし,動作発揮時の主導筋の働きについて検討を進めた。具体的には,身体移動を伴う垂直跳びおよび局所的な筋収縮である膝伸展の両動作発揮時に主働筋となる大腿前・後面の筋を対象に筋電図を測定し,最大下(最大値の20,40,60,80%)での跳躍および筋力発揮時のパフォーマンスとの対応関係を検討した。その結果,垂直跳びの跳躍高を調整する能力と,大腿部の局所的な筋力発揮に依存する調整力とは,発揮される強度によって主働筋の活動が対応しなくなることが明らかになった。今回得られた結果を総合的に判断すれば,主働筋の局所的な筋収縮における調整力の高低は,かならずしも身体移動を伴うパフォーマンスにおける調整力の成績を説明するものではないことが示唆された。 また,状況判断能力と上肢および手指の調整力とを複合して評価することのできるテストとして,「選択課題を含むペグボードテスト」を試作し,テストとしての妥当性を検討した。その結果,選択課題を含むペグボードテストの成績は単純なペグ移動スキルと選択反応にかかる時間の各成績だけでは十分に説明されなかった。つまり,両者を複合して測定することによって,様々な状況に応じて判断・行動が求められる場面において適切に身体活動を遂行できる能力の評価が可能になると推察された。 これまでの検討により,「巧みな動き」を評価しうるテスト・バッテリの開発に向けた項目選択およびそれらの信頼性に関する検討は十分に遂行できたと考えている。
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