研究課題/領域番号 |
26560136
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村瀬 雅俊 京都大学, 基礎物理学研究所, 准教授 (10182122)
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研究分担者 |
村瀬 智子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (80210037)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 統一生命理論 / 統合創造学 / システム思考 / 自己・非自己循環理論 / 歴史としての生命 / 構造主義 / 過程還元論 / 構成的認識論 |
研究実績の概要 |
A. データ・現象の収集と統合科学の創造 生命から認識、科学教育から環境病、進化から制御工学、物性物理学から心理学まで、多岐にわたる学術分野を、統合科学の創造という視点から、人間現象とその哲学的意味づけを切り口として、異なる学問の再構成を試みた。環境適応病の発症過程も学習過程と平行関係と捉えることによって、生命の創造過程と崩壊過程を統一する理論構築が可能となることが示された [ Masatoshi Murase and Tomoko Murase“Structuralism Revisited: On the Basis of Self-nonself Circulation Theory”、Journal of Quality Education Vol.6、27-49、2014 ]、[Tomoko Murase and Masatoshi Murase: Construction of Self-nonself Circulation Nursing Theory、Toyota Red-Cross College Vol.10, 69-85, 2015]。こうした流れをさらに発展・加速するために、正常と異常、健康と病気、安定と不安定といった一見対立的に見られてきた概念を一元論的に捉え直す、統一生命理論の構築を実施した [ Tomoko Murase and Masatoshi Murase: The significance of Meta-cognitive Learning in Educational Process: An Analogy between Educational Process and Recovery Process from Illuness、Journal of Quality Education, Vol.6, 51-68, 2014]。 B. 洋書単行書原稿執筆 単行書の内容は、進化・老化・発生・起源・がん・精神・認識・教育と多岐にわたる。統合科学の創造と統一生命理論の構築という作業は、もちろん、個別の論文を執筆することを地道に積み重ねて行かなければならない。それに関して、上記の論文にて公表した。体として統一した理論構築に向けた統一性に向けて、3章分の執筆を終えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に推移している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度以降の研究実施にあたっては、平成26年度の研究計画の着実な実施が必要である。そこで、次の2項目(データ・現象の収集と統合科学の創造、洋書出版計画)の研究実施状況を確認する体制が望まれる。申請者が理事を務める国際教育学会での、科学哲学・科学基礎論に関する公開シンポジウムの企画提案、あるいは自らの研究内容の発表という形で、進捗状況の客観的な確認に努める。 さらに、洋書原稿の執筆は、テーマごとに行い、ある程度の原稿が執筆できた段階で、出版社の編集責任者と実質的な意見交換を行う。計画では200枚程度の図版を使用することも盛り込まれており、図版の選定、およびオリジナルな図版の作成も、適宜アートデザイナーの協力を受けながら、作業をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
学内競争的資金獲得により、一部の予算の執行をその資金に振り分けたため。
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次年度使用額の使用計画 |
図書費などに充当の予定。
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備考 |
Journal of Integrated Creative Studiesは、村瀬雅俊が編集長となり、電子ジャーナルとして2015年3月に創刊した。
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