研究課題
研究初年度にあたり、(a)動物の行動を観察する視座、(b)動物学者を観察する視座、(c)人類学者による両者を観察する視座、の3つの布置から構成される三者関係から、協働して三角測量をおこなった。研究代表者の池田と分担者の大舘は、THE 4th INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON ASIAN VERTEBRATE SPECIES DIVERSITY(18-20th,December,2014: University of Malaya, Kuala Lumpur, Malaysia)に参加すると同時に、マラヤ大学の生態学フィールドステーション(Ulu Gombak Field Research Center)にて、野外状況における脊椎動物学者の研究資料の採集行動について観察することができた。池田は、研究協力者の佐藤が通常行っているヒグマの生態調査に関する基礎インタビューを通して、ヒグマ動物学者に関する論文生産の有り方について資料収集した。池田はさらに佐渡島の「佐渡トキ保護センター」を訪問して、地元の保護活動NPOボランティアに面接調査をおこなった。また物理学における対称性/非対称性の原理から、本調査実証研究に関する比較理論研究をおこなった。大舘は、第62回日本生態学会(2015.03.18-22,鹿児島大学)に参加して集団遺伝学のサーキット理論や定向進化に関する知見を収集した。分担者の田所は、総合地球環境学研究所での国際シンポジウム(The Locality of “Health”: Traditional/ Folk Medicine, People’s Health and the Environment)において、パンダヌス食性の人類生態学的知見について研究発表をおこなった。
2: おおむね順調に進展している
調査計画の年度計画では、1)相互の研究室の訪問とインタビュー、2)方法論に関する研究会開催、3)文献の渉猟と学知の蓄積、を予定していた。研究実績の概要にあるように、1)と3)に関してはおおむね順調に進展している。2)に関しては個別の学会発表・国際集会の参加を通して、方法論上の示唆や情報の収集に努めたが、具体的な全体集会は招集できなかった。次項「今後の研究の推進方策」で記載しているがメールおよび電子会議にて、この旧年度中のハンディを克服する。しかしながら、研究代表者は、すべての分担者ととも学術集会等に参加し、また資料を提供してくれる動物学者たちと邂逅する機会を得たので、平成27(2015)年度に予定していた研究にも前倒しにて踏み込んだ研究機会を得た。そのため、研究の自己点検による評価においては「おおむね順調」および「当初の計画以上」の進捗状況であると認めることができる。
「現在までの到達度」で自己評価したように、旧年度中に十分におこなうことができなかった方法論に関する研究会開催を、メールおよび電子会議にて、この旧年度中のハンディを克服する。平成27(2015)年度は哺乳類研究のフィールドワークと民族誌調査を更に深めるとの予定である。本年は、札幌でinternational wildlife management congressが、バンコクにてTHE 5th INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON ASIAN VERTEBRATE SPECIES DIVERSITY、仙台で第63回日本生態学会(2016年3月20日)の開催が予定されているが、これらの集会にも参加し、中間報告の研究発表に挑戦したい。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件、 査読あり 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (5件)
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