研究課題/領域番号 |
26560139
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
生方 史数 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (30447990)
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研究分担者 |
木村 周平 筑波大学, 人文社会科学研究科(系), 助教 (10512246)
渡辺 一生 総合地球環境学研究所, 大学共同利用機関等の部局等, プロジェクト上級研究員 (30533012)
佐藤 孝宏 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (80444488)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 科学技術社会論 / ドキュメンテーション / 文理融合 / メタ研究 / 交流 / 学際共同研究 |
研究実績の概要 |
本研究では、文理融合型学際共同研究プログラムを具体例に、「融合知」の生成過程を詳細に追い、多角的に検証することで、文理融合型研究プロジェクトが必然的あるいは偶発的に抱える課題を明らかにする。 平成27年度は、前年度における研究活動の遅れを踏まえ、以下3つの活動を実施した。第1に、事例対象となるプロジェクトのうち、異分野の研究者による交流が最も多くみられた研究グループに焦点を絞り、文系、理系、若手、リーダー層などグループ内の研究者に対して集中的に聞き取りを行った。そして、聞き取り内容を前年度に実施した定量的な分析と照合し解釈を加えることで、研究者間の交流の阻害要因と促進要因を分析した。その結果、いくつかの要因を特定できたため、その成果を日本地理学会で報告した。今後はこの成果を論文として執筆するとともに、他の研究グループにおける研究者の交流を同様に分析し、異なる「融合知」の生成過程を比較していく予定である。 第2に、プロジェクトで出版した著書を中心に、内容をテキスト化しキーワード分析を厳密に行うための準備作業を進展させた。今後はキーワード分析を進めるとともに、前年度に行った他の定量的な分析と比較したり、聞き取り調査と照合したりしながら、多角的な解析を進めていく予定である。 第3に、以上の定性的・定量的分析を統合するために、計4回の研究会を開催した。研究の進捗状況を報告しあうとともに、プロジェクトを自ら振り返りながら、統合のための様々なアイデアをブレインストーミングした。その結果、異分野融合のタイプと文理融合型研究の特徴、研究者が交流する際に直面する障壁と対策、交流のメディアと前提条件等に関して統合の鍵となる概念を導出することができた。今後は調査分析をさらに進めていく中で、これらの有効性を再検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は研究者への聞き取りが一定程度進展し、1つの研究グループに関しては、結果を学会で報告まですることができた。よって、前年度までの遅れを概ね取り戻したといえる。ただ、まだ成果報告は少ないため、今後成果公表を意識しながら活動していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、プロジェクト成果物の定量分析を本格的に進めるとともに、文系と理系の研究者の交流があまりみられなかった研究グループや、これまで取り上げた研究グループと異なるタイプの交流が見られた研究グループを対象に聞き取り調査を進めていく。また、成果を学会発表や学術論文として公表しつつ、書籍の公刊準備を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の残額が約19万円あり、そのうちほぼ13万円を聞き取り内容のテープ起こしに使用したが使い切れなかった。年度内にもう2人に聞き取り調査をする予定であったが、先方と都合が合わず年度内に行うことができなかったため、繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
残額は、今後聞き取りのテープ起こしのための資金として用いる予定である。
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