都市施設の概念と存在意義を示した上で、都市施設における博物館的機能の現状と意義を整理し、可能性と課題を検討した。 都市施設には本来の機能発揮という存在意義と同時に、地域の共有財産としてのより広い機能に及ぶ存在意義があり、博物館的機能(収集・保存、調査・研究、展示・教育、楽しみ)を担うことができ、地域の記憶と記録を継承し地域の担い手の裾野を広げていく意義、防災教育や環境教育における意義、市民とのコミュニケーションの観点からの意義がある。一方、縦割りで時として競合的になされている取り組みを横断的に位置付けていく必要、人材・体制の必要といった課題に対し博物館学や学芸員による貢献の可能性がある。
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