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2014 年度 実施状況報告書

過去から未来へ-古代トルコにおける自然災害の痕跡と現代の都市開発リスクの評価

研究課題

研究課題/領域番号 26560153
研究機関東京大学

研究代表者

早川 裕弌  東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (70549443)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード考古環境 / 断層 / 古災害 / 古環境 / トルコ / アナトリア
研究実績の概要

地震などの大規模な自然災害は百年オーダーでの歴史記録に残るケースはあるものの,数千年に一度といった大規模低頻度な自然災害の記録が残ることは稀であり,自然地理学的あるいは地質学的アプローチからその実態を解明する必要がある。本研究では,豊富な考古学資料から数千年前の明確な文化の断絶が立証されているものの,同時期に大規模な環境変化が報告されていない中央アナトリアにおいて,後期完新世の災害履歴・古環境変動と,それらが文化変容に与えた影響を明らかにし,さらに,同地域で将来的に起こりうる自然災害の現代都市への影響について検討を行い,今後の都市開発と防災・減災策を確立するための基礎情報を構築することを目的とする。
本年度は,まず現地調査の準備として,GIS(地理情報システム)およびRS(リモートセンシング)の手法で衛星画像,空中写真および地形データの解析から,対象地域の地形分類図の作成を進めたうえで,現地調査を夏期(8,9月)のキュルテペ遺跡発掘期間中に実施した。現地調査ではボーリングコア掘削,断層露頭記載,考古隊からの文献・歴史記録,火山地形,河川地形,それぞれの調査を実施した。その後,現地調査データと分析結果を日本国内で取りまとめ,GISデータベースへの集約,カタログ化を進めた。また,共同研究者間のみで共有するスペースをインターネット上に設置し,情報交換や進捗状況確認に利用した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

GIS・RSデータの整備,現地調査の実施,調査データの保管・解析などについて,概ね計画通りに進行している。現地調査では高解像度地形情報取得技術の適用も行うことができ,より高精細な環境データの取得が可能となった。また,研究成果については複数の学会において発表を実施および予定しており,関連研究者とも有益な議論がなされており,順調に研究が進展している。

今後の研究の推進方策

各種データ(現地取得データ,GIS・RSデータ)の整備・解析を継続的に行うとともに,夏期の再度の現地調査に向けて準備を進める。現地調査では,昨年度の調査結果に基づき,更なる環境情報の取得と,各種考古学的・歴史学的情報の収集も進め,本研究の目的である古災害・古環境変動と人類の文化変容との相互作用について考察を進める。加えて,ウェブGISを活用した情報発信も進め,学会発表や論文発表を積極的に行う。

次年度使用額が生じた理由

現地調査にかかる経費は、研究者の参加日程等、その時の状況によりとくに変動が大きいため、次年度使用額が生じている。

次年度使用額の使用計画

現地調査にかかる経費(自動車代等含む)やデータ処理の補助・ウェブサイト構築補助の謝金等に使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 小型無人航空機および単独測位GNSS搭載カメラを用いた簡易的な地形測量手法2015

    • 著者名/発表者名
      小花和宏之・早川裕弌・加藤 顕・ゴメス クリストファー
    • 雑誌名

      地形

      巻: 36 ページ: 87-106

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 高解像度地形情報シンポジウム論文集~地形情報のすべて~2015

    • 著者名/発表者名
      早川裕弌・内山庄一郎(編)
    • 雑誌名

      CSIS Discussion Paper

      巻: 137 ページ: 1-35

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] UAV-SfM手法と地上レーザ測量により得られたDSMの比較2014

    • 著者名/発表者名
      小花和宏之・早川裕弌・齋藤 仁・ゴメス クリストファー
    • 雑誌名

      写真測量とリモートセンシング

      巻: 53 ページ: 67-74

    • DOI

      http://doi.org/10.4287/jsprs.53.67

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] UAV空撮とSfMを用いたアクセス困難地の3Dモデリング2014

    • 著者名/発表者名
      小花和宏之・早川裕弌・ゴメス クリストファー
    • 雑誌名

      地形

      巻: 35 ページ: 283-294

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Geomorphology and archaeology: mapping landforms around archaeological sites in Kayseri region using high-definition data2015

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa, Y.S., Obanawa, H., Yoshida, H., Naruhashi, R., Okumura, K., Zaiki, M.
    • 学会等名
      IGU Moscow 2015
    • 発表場所
      Moscow, Russia
    • 年月日
      2015-08-17 – 2015-08-22
  • [学会発表] Mapping surface morphology and outcrop structures of hummocks in debris avalanche deposits using structure-from-motion multi-view stereo photogrammetry2015

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa, Y.S., Obanawa, H., Yoshida, H., Naruhashi, R., Okumura, K., Zaiki, M., Kontani, R.
    • 学会等名
      INQUA XIX
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-07-27 – 2015-08-02
  • [学会発表] トルコ・カイセリ県における遺跡周辺の地形情報の取得と解析2015

    • 著者名/発表者名
      早川裕弌・小花和宏之・吉田英嗣・鳴橋竜太郎・奥村晃史・財城真寿美
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2015年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2015-05-24 – 2015-05-28
  • [学会発表] 遺跡周辺における高精細地形情報の取得と解析-トルコ中部カイセリ県を対象として-2015

    • 著者名/発表者名
      早川裕弌・小花和宏之・吉田英嗣・鳴橋竜太郎・奥村晃史・財城真寿美
    • 学会等名
      日本地理学会 2015年春季学術大会
    • 発表場所
      日本大学(東京都世田谷区)
    • 年月日
      2015-03-28 – 2015-03-29

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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