本研究では、光ルミネッセンス測定、特に長石のpIRIR測定から、サンゴ礁段丘の形成年代を推定できるかどうかについて検討した。南西諸島から採取したサンゴ化石を塩酸で溶かすと、少量ではあるが酸に不溶の無機粒子が残存し、それらの中には、光ルミネッセンス年代測定に適した試料が含まれることが分かった。そして、既存研究のウラン系列年代が約147ka, 約117kaとされた試料について、pIRIR年代は104±14 Kaと求められた。したがって、U-Th法、ESR法などでは年代測定が難しい変質したサンゴ化石試料でも、OSL法やpost-IR IRIR法で年代の推定が可能である見通しが得られた。
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