農村景観の重要な要素である谷津田を地図化するために、一定の幅の水田をポリゴンから抽出するGIS解析手法を開発した。幅約100メートル以内の水田を「狭幅水田」と定義し、環境省現存植生図から全国統一の狭幅水田データベースを構築した。また、水田に隣接する土地利用を分析し、水田の境界線距離に占める樹林の割合の計算から、幅狭水田が水田の樹林と接する境界線の多くを占めることが分かった。谷津田は全水田に占める割合は少ないが、隣接する土地利用との関わりが強く、樹林との相互作用等をとおして農業環境の保全に重要な役割を果たすと考えられるが、主流の水田より耕作放棄などで消失する可能性が高いという傾向が見られた。
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