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2017 年度 実績報告書

聴覚障害者の読みやすさを考慮したスクロール表示文の改善指針

研究課題

研究課題/領域番号 26560172
研究機関筑波技術大学

研究代表者

井上 征矢  筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (80389717)

研究分担者 丸山 岳彦  専修大学, 文学部, 准教授 (90392539)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード聴覚障害 / スクロール表示文
研究実績の概要

本研究の目的は、交通機関における案内を題材として、日本語の速読が苦手な聴覚障害者にも読みやすいようにスクロール表示文を書き換える方法を明らかにすることである。平成29年度は、これまでに検討した書き換え方法(主語と述語を近づける語順への入れ替え、より直接的な表現への書き換え、情報の強調と省略など)について、個々の有効性を探る実験とアンケートを、聴覚障害者学生35名(昨年度からの継続分含む)を対象に行った。
実験は、現状の形の文章(以後、現状文)とその書き換え文の組(18組、計36文)を、電光文字表示器を想定した実験装置でスクロール表示し、被験者の読解後に表示内容を問う質問(選択式、4択)をする形で行い、両者の正答率を比較した。全18組の比較では、現状文の平均正答率が79.8%、書き換え文が85.9%であった。個別の組をみてみると、例えば「A線は、B線内での~事故の影響で、~しています」という型の現状文で、主語をA線とB線で混同した誤答が40.0%あったのに対して、語順を替えた「B線内での~事故の影響で、A線は~しています」ではこれが11.4%に減少した組があり、また、「(運転を)見合わせています」という現状文では運転状況の誤答(無回答含む)が65.7%あったのに対して、「(運転を)中止しています」という書き換え文ではこれが20.0%に減少した組があるなど、両者で大きな差が出た組もみられた。
アンケートでは、スクロール表示を想定した場合、主語と述語を近づけた語順の方が読みやすいとの回答が60.0%であり、また、「見合わせ」と「中止」では80.0%が、「見込んでいる」と「予定している」では88.6%が後者を選択するなど、より直接的な表現が好まれる結果となり、本研究で検討した書き換え方法に一定の評価が得られた。

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公開日: 2018-12-17  

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