研究課題/領域番号 |
26560187
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
山崎 新太郎 北見工業大学, 工学部, 助教 (40584602)
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研究分担者 |
田房 友典 弓削商船高等専門学校, その他部局等, 教授 (20321507)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 湖底地すべり / 海底地すべり / 魚群探知機 / 音波探査 / 湖 / 地震 |
研究実績の概要 |
本年度は,沿岸水域における海岸の崩壊から海底に突入した地すべりおよび,沿岸海底の地すべりの双方を4箇所において調査するとともに,分担者と共同で自動調査船の作成に予定通り着手した.本年度行った調査箇所は下記の4箇所である. 第一は,神奈川県小田原市根府川沖では関東大震災によって発生した沿岸水域の地すべりが崩壊し,そして海中に落下,その範囲が沿岸から500mに渡って到達していることを確認した.この調査の過程では水中に没した遺構の位置を確定した.この調査は本年度中に論文として公表できた. 第二は,北海道,屈斜路湖であり,ここでは湖底地すべりを複数発見した.この湖では1938年にマグニチュード6.1の地震に伴う津波が発生しており,この地震は比較的小規模であるために,その地震と津波の関係に関してはどのようなメカニズムで発生したのか不明であった.そのため,共同研究者とともに簡易の津波シミュレーションを開発し,これにより湖底地すべりの内の一つが1938年に津波を発生していると考えられるデータが得られた.この他にも湖底の火山活動と考えられる地形を発見し,これに関しては次年度継続して調査を行う予定である. 第三は神奈川県の芦ノ湖である.ここでは湖岸の崩壊による地すべりによって森林が水没した目されている.この地形に関しては現在解析中であるものの順調に研究を継続できている. 第四は滋賀県琵琶湖であり,ここでは安曇川のデルタ地帯の湖岸沖において湖底地すべりの調査を行った.1つは幅400mの地すべり地形を発見した.その調査は次年度も継続して行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在当初の計画どおりに研究が進展しているため.
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今後の研究の推進方策 |
今後は前年度から引き続き,研究目標としていた自動調査船の完成に努め,さらなる沿岸水域調査の効率化を推し進めるとともに,屈斜路湖,芦ノ湖,琵琶湖において湖底地すべりの調査を行う.これらの湖では先の完成予定の自動調査船,地層探査装置の導入を行い,津波シミュレーション用のデータも取得することで,湖底地すべりの捜索と共にその規模とメカニズムの確定,過去の記録と一致しているかを確認する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に模型船の設計依頼と購入を予定していたが,共同研究の進展により,分担者の研究機関において作成をすることとなった.そのため急遽使用計画に変更になった.
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次年度使用額の使用計画 |
この余剰額分は広域が探査できる魚群探知機の購入と旅費に充当し研究をさらに進める予定である.
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