研究課題/領域番号 |
26560188
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
孫 明宇 東北大学, 流体科学研究所, 准教授 (00311556)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 衝撃波 / 隕石突入 / scm |
研究実績の概要 |
隕石落下時における衝撃波が地表に与える影響を把握することは,危機管理,防災対策の点から必要不可欠である.しかしながら,このような現象を数値シミュレーションするためには,隕石付近の流れを正しく解析し,かつ遠場の衝撃波圧を正確に計算しなければならない.たとえば隕石を数mと考えたとき,数十km先の衝撃波をとらえるだけでも大規模,そして多くの格子が必要となり,数値シミュレーションを行うには計算時間などの点で困難を極める.そこで本研究では大規模格子に対し,移動物体が小さくても計算可能なSubgrid Closure Model (SCM法)を用いる.SCM法は格子に対して移動物体が小さくても,その位置,速度,加速度などを計算することができる.
本年度には圧力値に着目し,この手法を用いて地球大気中における小隕石の様子をSCM法を用いてモデル化し,遠場の誘起衝撃波圧について解析を行った。固定円柱回りの圧力解析結果よりSCM法を用いた小隕石モデルの圧力解析結果の示す圧力値は小さくなったが,格子が細かくなるにつれて圧力値は収束するという傾向が確認できた.解析手法の妥当性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
物体より遠く離れた遠場における圧力値を検証した結果について、格子が細かくなるにつれて圧力値は収束するという傾向が確認できたが、固定円柱回りの圧力解析結果よりSCM法を用いた小隕石モデルの圧力解析結果の示す圧力値は小さくなることが分かった。小隕石モデルの圧力値が小さいのはセル内で広範囲の物理量を平均化してしまうことが原因として考えられるが、scm法と関係のない数値離散法の問題であり、今後は物体に対し十分大きい格子でも衝撃波圧力値を正確にとらえることができるような新たなモデルや手法を検討する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
今後は当初予定した3次元開発を行う前に、物体に対し十分大きい格子でも衝撃波圧力値を正確にとらえることができるようなモデルや手法を検討する必要がある.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度にイスラエルでの国際学会参加費用を捻出する必要があるため。
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次年度使用額の使用計画 |
イスラエルでの国際学会参加費用として使用する予定である。
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