現在、iPS細胞を再生医療へ応用する研究が盛んに進められている。しかしながら、十分な多能性の有る良質なiPS細胞を選別する方法が未だに確立されていない。そこで本研究では、非線形ラマン(CARS)分光イメージング法を用いて、多能性を有する良質なiPS細胞を識別する方法の開発を試みた。特に本研究では、iPS細胞の培養日数依存性を調べた。4つの因子導入後5日目と7日目の細胞の比較を行ったところ、細胞核内のスペクトルにおいて複数のバンドに違いが見られた。これらは、リプログラミング過程に依存して変化するラマンバンドである可能性が考えられるため、今後更に詳細な研究を行う必要がある。
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