研究課題
マウス頭頂骨に持続的伸展刺激 (0.2 g) を3または6時間負荷し,発現変動する遺伝子を調べた.本刺激により数多くの遺伝子の発現が変動することが示され,それらの中でBMP4 とCCN1を含む15 遺伝子の発現が進展刺激により上昇することを定量的リアルタイムPCR法で確認した.さらに,CCN1タンパク質が進展刺激により発現が増加することを免疫組織化学法で明らかにした.このタンパク質は,アルカリフォスファターゼ (ALP) 陽性の細胞,即ち,骨芽前駆細胞で発現レベルが高いことが明らかとなった.金魚のウロコの破骨細胞に対する低出力パルス超音波 (LIPUS) の効果を検討した.破骨細胞の活性化にはRANK,そのリガンドであるRANKLとそれらの結合を阻害する可溶性デコイ受容体であるOPGが関連するシグナル伝達系が重要である.LIPUSはRANKの発現には影響を与えなかったが,RANKLの発現は照射後6と12時間後に有意に増加した.一方,OPGの発現はLIPUS暴露6時間後のみ発現レベルが一過性に上昇した.RANKの下流の分子であるTRAF6とNFATc1のmRNA発現レベルはLIPUS照射の6時間後に有意に上昇し,さらにその下流の酵素カテプシンKとMMP9は照射の6と12時間後に有意に上昇した.LIPUSの単回照射後,初期の段階で破骨細胞が活性化されることが示された.また, 金魚の個体に1日1回2週間LIPUSを連続照射したウロコのサンプルでは,破骨細胞のTRAP活性はLIPUSにより影響を受けなかったが,骨芽細胞のALP酵素活性やウロコの再生比率が有意に上昇した.LIPUSは破骨細胞と骨芽細胞を活性化し,骨の形成を促進すると考えられる.
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