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2016 年度 実績報告書

ストレスファイバーの3次元分子構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26560208
研究機関大阪大学

研究代表者

出口 真次  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (30379713)

研究分担者 上野 裕則  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (70518240)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードストレスファイバー / 細胞バイオメカニクス / 焦点接着斑
研究実績の概要

本研究の主目的は、ストレスファイバー(タンパク質複合体によって形成された細胞内線維)の微細構造を明らかにすることである。前年度までに原子間力顕微鏡と蛍光顕微鏡を組み合わせた実験手法、および独自のストレスファイバー抽出方法を用いて、特にストレスファイバーの両端部に存在する焦点接着斑の微細構造とαアクチニン分子分布との関係性を明らかにした。具体的には、焦点接着斑はアクチンフィラメントが積層された高次構造をしており、積層においてαアクチニン1(研究対象としたA7r5血管平滑筋細胞に発現するもう一つのアイソフォームαアクチニン4ではなく)が発現、すなわち培養ガラス基板の上側方向へ積み重なる位置において観察されることが明らかとなった。本年度はこの実験結果に基づき、焦点接着斑の力学的モデルをたてて有限要素解析を行い、焦点接着斑が有する接着性と張力支持の両機能を発現するメカニズムの解析と考察を行った。観察で得られた形状を単純化した有限要素モデルを構築し、各要素(ストレスファイバー、焦点接着斑、細胞外基質の三要素だけを考慮)の物性には文献値および本代表研究者自身による測定結果を取り入れた。我々の実験から明らかにした焦点接着斑の構造は、従来のモデル(主に垂直引張応力を支持することが想定されている)と異なり、せん断応力を支持するのに適した構造であることを示した。これは接着と張力支持を同時に満たすうえで、力学的に適した微細構造であると言える。以上の通り、ストレスファイバー自身の微細構造(扁平構造を有することを明らかにした)に加えて、その端部に存在する焦点接着について3次元微細構造に新しい知見を得ることができた。現在は本成果を論文にまとめて発表する準備に取り組んでいる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] The opposite mechano-response of paxillin phosphorylation between subcellular and whole-cell levels is explained by a minimal model of cell-substrate adhesions2017

    • 著者名/発表者名
      Deguchi S., Saito, A.C., Matsui, T.S., Haung, W.J., Sato, M.
    • 雑誌名

      Journal of Biomechanical Science and Engineering,

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      in press

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Local geometry sensing by individual focal adhesions2017

    • 著者名/発表者名
      Shinji Deguchi, Sho Yokoyama, Tsubasa S. Matsui, Taiki Ohishi
    • 学会等名
      2017 Cellular and Molecular Bioengineering Annual Conference
    • 発表場所
      Hawaii
    • 年月日
      2017-01-03 – 2017-01-07
    • 国際学会
  • [備考] 大阪大学・出口研究室ホームページ

    • URL

      http://mbm.me.es.osaka-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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