本研究では立方体状のネオジウム磁石9個を用いて,環状ハルバッハ配列と呼ばれる磁石配列・設置を行い,均一な強磁場環境下で細胞培養を行うシステムを構築した.そして,この磁場環境下で家兎滑膜由来の間葉系幹細胞(MSC)を培養し,磁場環境がMSCに与える影響を調査して,以下のことを明らかにした.1)磁束密度は0.674 Tであり,ほぼ均一であった.2)MSCを静磁場環境下で培養すると,接着面積は培養18日目までは大きくなる.3)MSCを静磁場環境下で25日間培養することで,細胞占有率は減少し,細胞密度は低下する.4)静磁場環境は,MSCの配向角度,アスペクト比には影響をおよぼさない.
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