研究実績の概要 |
自律神経系は、臓器内の生体情報を感知して脳へ送り(求心路)、全身の各臓器の機能を調節して(遠心路)、生体恒常性を維持するが、計測技術の不備のため、神経動態の理解は十分ではない。本研究は、胸腹部臓器(心,肺,胃腸,膵,脾,腎等)や骨格筋等を支配する自律神経の、臓器内の配置や構造、細胞動態について、独自の電気記録やイメージング等によって調べることを目的とし、将来の医療開発に繋がる基盤的理解を得ることを目指す。平成27年度は、26年度に引き続き、微小電極針アレイ神経物理インターフェイス(=神経マイクロマシン)を利用した神経線維の電気活動記録、および、遺伝学的多次元蛍光イメージングを行った。蛍光タンパクを遺伝子発現させる動物を開発や利用して、求心性などの神経の活動を生動物で2光子顕微観察(Olympus)すると共に、固定標本でも観察した。これにより、未だ世界で他に例のない生動物の末梢神経2光子イメージングの研究技術がさらに進み、今後の多様な神経研究に繋がる基盤の構築が進んだ。
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