研究課題/領域番号 |
26560232
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
永井 展裕 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30400039)
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研究分担者 |
梶 弘和 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70431525)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | DDS / イオントフォレシス / 網膜疾患 |
研究実績の概要 |
バイオ燃料電池を搭載するためのリザーバー形状をCADでデザインし、CAM微細加工機でアクリル板を切削、熱硬化性樹脂のPDMSをキャストして鋳型を作成した。トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDM)をPDMS鋳型にキャストし、UV照射してリザーバーを作成した。ヒト眼球への適応を考慮し、一般的なヒト眼球サイズの平均値を文献で算出し、幅は4.4㎜、厚みは1㎜で統一、デバイス長は19 or 21mmの2種類、曲率直径は21 or 23㎜の2種類の計4種類を作成した。今後はTEGDMリザーバーに燃料電池システムを小型化して搭載する検討を行う。また、イオントフォレシスの予備検討として、薬剤のイソプロピルウノプロストンが電気刺激によってウサギ強膜を通過促進できるか検討した。ウサギ眼から強膜を摘出し、In vitro強膜チャンバーにセッティングし、Donor側にウノプロストン徐放デバイスを入れて、定電流(0.1mA)で1週間評価した。その結果、Acceptor側にウノプロストンが移行していることを高速液体クロマトグラフィーで確認した。しかし、1週間の持続的通電中に電流が安定しない問題が見られた。今後は銀/塩化銀電極から白金電極に変更し電流の安定化を図るとともに、溶液中で予期せずに発生する化学反応やpHの変化をモニタリングする必要がある。また、眼内ウノプロストン動態を評価する方法として、血漿中ウノプロストン代謝物濃度から推測する方法を検討している。網膜内濃度と血漿中濃度が対比する可能性があるため、今後は採血からウノプロストン眼内移行を間接的に評価する方法を考慮する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトへの応用を考慮しているため、小さなTEGDMリザーバーのスペースに燃料電池を収めることに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
燃料電池システムの小型化の検討を行うとともに、まずはプロトタイプとしてスケールを大きくしたリザーバーで検討を行う。In vitro強膜チャンバーシステムは確立できたので、デバイスが完成次第、薬物移行評価を早急に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
燃料電池システム搭載のデバイス作製が遅れており、予定していた実験(発電の長期化検討、体液成分での発電持続性と薬剤徐放性)が遅れていたため。
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次年度使用額の使用計画 |
デバイスが完成次第、1年目に予定していた実験を実施し、2年目に計画している実験(動物実験)も同時進行させる。これらの実験に要する経費として平成27年度分とあわせて使用する。
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