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2015 年度 実績報告書

細胞内μ撹拌子の創製と細胞応答の調節

研究課題

研究課題/領域番号 26560237
研究機関東京大学

研究代表者

石原 一彦  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90193341)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードバイオマテリアル / 高分子合成 / 細胞・組織 / 磁性粒子 / ナノ粒子 / 生体親和性
研究実績の概要

酸化鉄ナノ粒子内包型リン脂質ポリマー被覆異形ナノ粒子を設計した。超常磁性を有する酸化鉄ナノ粒子をデバイス内に内包させることで、外部磁場による回転特性を獲得した。特に、物理的な作用による攪拌効率を向上させるため、粒子形状を異形とし、細胞膜構造を模倣したリン脂質ポリマーおよびカチオン性分子により表面改質を行うことで、細胞親和性および細胞内移行性をデバイスに搭載した。このようなナノデバイスの回転運動を解析することで、化学的パラメーターとして細胞内の粘性を定量的に導出する。さらには、この物理的な攪拌により細胞内化学反応に関する分子のダイナミクスを制御することで、細胞機能を劇的に変化させることも可能となる。
ミニエマルション重合を用いて作製した真球形の磁性コア粒子(粒径: 130 nm)は、物理的延伸を行うことで長軸が約210 nmに伸長し、短軸は約100 nmに減少した。物理的延伸法により、球形粒子に形状の異方性を与えることができた。磁気ピンセットを用いた回転磁場の印加により、作製した異形磁性コア粒子は水中において回転運動を示した。粒子の回転速度が外部磁場の回転速度とほぼ一致したことから、作製した異形磁性ナノ粒子は良好な磁気応答性を有することがわかった。
ブラシ構造を構築する前の磁性コア粒子の表面電位が約-37 mVであったのに対し、PMPC-Br磁性ナノ粒子は約-1.0 mVの、PMPC-PAEMA磁性ナノ粒子は約+4.5 mVの表面電位であった。PMPC-PAEMA磁性ナノ粒子は細胞取り込みの際に膜障害性を示さず、取り込み後の細胞増殖率にも影響を与えなかった。これらは粒子表面に存在するPMPC鎖の高い細胞親和性に由来すると考えられる。つまり、PMPC-PAEMA構造により細胞内移行性と細胞親和性を兼備する表面を実現することができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Cytocompatible magnetic nanoparticles with cell-internalizing properties for quantification of intracellular environment2016

    • 著者名/発表者名
      Kensuke Yoshie, Yuuki Inoue, Kazuhiko Ishihara
    • 雑誌名

      Trans Mat Res Soc Japan

      巻: 41 ページ: 113-116

    • DOI

      doi.org/10.14723/tmrsj.41.113

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] リン脂質ポリマー被覆異形磁性ナノ粒子による細胞親和性微小攪拌子の創製2015

    • 著者名/発表者名
      井上祐貴、吉江健介、石原一彦
    • 学会等名
      第37回日本バイオマテリアル学会大会
    • 発表場所
      京都テルサ(京都府・京都市)
    • 年月日
      2015-11-09 – 2015-11-10
  • [学会発表] 細胞内微小攪拌子としての細胞親和型異形磁性ポリマーナノ粒子2015

    • 著者名/発表者名
      井上祐貴、吉江健介、石原一彦
    • 学会等名
      第64回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道・札幌市)
    • 年月日
      2015-05-27 – 2015-05-29
  • [備考] 石原研究室

    • URL

      http://www.mpc.t.u-tokyo.ac.jp/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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