本研究では、動物血清に含まれる細胞増殖促進/阻害に関わるタンパク因子、脂質、有機酸を、血球系細胞をモデルに同定・プロファイリングし、100%輸入血清(FBS)に頼る細胞培養法の改善を図ることを目的とした。その結果、LDLなどのリポ蛋白質が細胞の増殖制御に有効なことが考えられた。また、クエン酸やピルビン酸など有機酸に増殖促進効果が認められ、組替えアルブミンも重要な増殖促進因子であることが確認できた。さらに、解析したところコレステロールが最も重要な脂質であることがわかり、インスイン、トランスフェリン、亜セレン酸と組換えアルブミンを加えることで、低タンパク質無血清培地の試作品を調製できた。
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