本研究では注射針を使用しない注射システムの開発を目指して,衝撃波管駆動超音速噴流を利用した全長180mmの粉体注射器を製作した.気流の特性試験によると,低圧室内で反射衝撃波によるノズル貯気槽圧が形成され,初期圧力比9の時に噴流の気流マッハ数はおよそ1.75で比較的長い試験時間が得られた.この装置に粉体薬剤を模擬した固体粉体を設置すると,粉体粒子はおよそ秒速350m以上の速度を得た.この装置を用いて,模擬生体であるPVAハイドロゲルへの貫入試験を実施したところ,出口と模擬生体表面間のスタンドオフ距離が2mmの時に貫入経路は0.66mmで最大40mmの深さまで貫入可能であった.
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