新型インフルエンザウイルス(IFV)の出現によるパンデミックの対策のために、ウイルスの検出手法の開発と感染阻害剤の開発について検討した。ファージディスプレイ法で得られたIFVのヘマグルチニン(HA)結合性ペプチドとHAとの相互作用の熱力学的パラメーターを等温滴定カロリメーターにより評価した。HAの糖鎖認識ポケットのサイズに適した5残基のペプチドは15残基のペプチドと同程度の水素結合で相互作用していることが示された。得られた5残基のペプチド配列ARLPRは、多様な亜型に対して高い感染阻害活性を示した。さらに、ダイヤモンド電極表面に固定化することで、高感度にIFVを検出することにも成功した。
|