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2016 年度 実績報告書

ヒト細胞を用いた3次元脳組織のin vitro再構成への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 26560247
研究機関東北工業大学

研究代表者

鈴木 郁郎  東北工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90516311)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードヒトiPS細胞由来ニューロン / 3次元培養 / 神経シート / 脱細胞脳
研究実績の概要

本年度は、ヒトiPS細胞由来ニューロンを用いた3次元組織モデルの構築に向けた培養技術の検討を行った。具体的には、神経細胞シートの積層化による3次元培養技術と脱細胞脳組織を用いた3次元培養技術を検討した。神経細胞シートの積層化技術は、温度感受性基板上にヒトiPS細胞由来中枢ニューロンおよびアストロサイトが2から3層になるように培養し、培養中に剥離して積層化する手法を試みた。4℃下で基板から剥離させ、その後の神経ネットワーク活動を平面微小電極アレイ(MEA)計測法で計測したところ、ネットワーク全体から電気活動が観察され、機能維持が確かめられた。また、剥離後の神経シートを免疫染色したところ、シナプス形成の維持も確認された。剥離したヒトiPS細胞由来神経シートを重ねて培養することにも成功したことから、3次元培養技術として有効であることが示唆された。脱細胞脳組織を足場とした培養技術は、東京医科歯科大学生体材料工学研究所物質医工学分野との共同研究にて行った。ラット大脳を冠状スライスした薄切脳を、高静水圧処理により、脱細胞化脳を得た。脱細胞化処理後も脳の形態が維持され、未処理脳に類似した組織構造を示した。得られた脱細胞化脳上に神経細胞を培養したところ、海馬、髄質に比べ大脳新皮質に有意に接着し、神経突起の伸長を共焦点レーザー顕微鏡にて確認した。一部においては、脱細胞化脳の構造を反映した神経ネットワークの形成が観察されたことから、脳構造を模倣した3次元神経組織モデル構築の可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 創薬・再生医療への展開を目指したヒトiPS細胞由来神経ネットワークの機能評価技術2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木郁郎
    • 学会等名
      第16回 日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      宮城
    • 年月日
      2017-03-07 – 2017-03-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 脱細胞化スライス脳を用いたin vitro三次元脳組織の再構築2017

    • 著者名/発表者名
      木村剛, 猪狩優花, 中村奈緒子, 橋本良秀, 藤里俊哉, 小田原あおい, 鈴木郁郎, 岸田晶夫
    • 学会等名
      第16回 日本再生医療学会総会
    • 発表場所
      宮城
    • 年月日
      2017-03-07 – 2017-03-09
  • [学会発表] Reconstruction of brain circuit using decellularized brain tissue2016

    • 著者名/発表者名
      Ikuro Suzuki, Aoi Odawara, Yuuka Igari, Naoko Nakamura, Akio Kishida, Tsuyoshi Kimura
    • 学会等名
      第1回生体医歯工学共同研究拠点国際シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2016-11-10 – 2016-11-11
  • [学会発表] In vitro 脳再構築を目指した脳ECMでの神経細胞培養2016

    • 著者名/発表者名
      木村剛, 猪狩優花, 中村奈緒子, 橋本良秀, 藤里俊哉, 鈴木郁郎, 岸田晶夫
    • 学会等名
      第37回日本炎症・再生医学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2016-06-16 – 2016-06-17

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公開日: 2018-01-16  

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