研究課題/領域番号 |
26560270
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 景一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授(常勤) (70416387)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 規制適合 / 治験 / 臨床試験 / コンピュータ・システム・バリデーション |
研究実績の概要 |
大阪大学では、平成27年6月からREDCap運用を開始し、学内では40以上のプロジェクトが稼働し、500ユーザーを超えるユーザーが利用している。また開発元のVanderbilt大学との協議の上、大阪大学REDCapの外部提供(SaaS)契約が特別に許可された。平成27年2月よりSaaS契約を開始し既に20施設以上からの申し込みがある。米国REDCap ConsortiumのRegulatory (21 CFR Part 11, HIPAA) and Software Validation Committee におけるCSV手法および文書を詳細に調査した。また米国REDCap Consortium Regulatory (21 CFR Part 11, HIPAA) and Software Validation Committee が行うREDCap LTS 6.0 ソフトウエア・バリデーション実施活動に参加した。その上で、我が国の実情に合わせたREDCap CSV方法を考案し、日本臨床試験学会 第7回学術集会総会(2016年3月11日)で発表を行った。また、臨床試験のコンピュータ利用という意味では、平成27年度に入り、Smart/Wearable Deviceの利用が世界的に大きな注目を浴びるようになった。例えば米国のオバマ大統領が直轄で行うPrecision Medicine Inisiative Cohortで、100万人のOmics情報、電子カルテ情報、Smart/Wearable Deviceから収集されるmHealth情報を統合してデータベース化する事業である。これを契機にいくつかの製薬企業がSmart/Wearable Deviceを利用した臨床試験を始めている。しかし、Smart/Wearable Deviceを利用した臨床試験のCSV手法の議論は世界的にもまだほとんど行われていない。ISPE GAMPフォーラムに参加し、分科会活動の一環として、Smart/Wearable Deviceを利用したCSVの手法を世界に先駆けて考案し発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大阪大学でのREDCap運用が安定し、Japan REDCap Consortium(JREC)での普及活動も順調である。米国REDCap Consortium Regulatory (21 CFR Part 11, HIPAA) and Software Validation Committeeの活動状況も把握でき、実際のバリデーション活動にも参加した。日本のアカデミアでの適用方法も検討中であり、学会等でのディスカッションも良好であった。また、世界最先端のSmart/Wearable Deviceを利用した臨床試験のCSV手法についても、世界に先駆けて提案を行った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、まず、Smart/Wearable Deviceを利用した臨床試験のCSV手法について、論文として公表したい。現在、論文作成中であり、間もなく投稿予定である。 REDCapのCSVについて、いくつかの大学で問い合わせがり、実際の医師主導治験での利用を検討中である。 医師主導治験を実施するにあたり、近く、米国REDCap Consortium Regulatory (21 CFR Part 11, HIPAA) and Software Validation Committeeと、既存のCSV文書の利用方法についてWEB会議を行う予定である。その上で、具体的なCSV方法論を固め、PMDAと協議を行いたい。従来、治験のCSV実施には非常に多くの労力と費用が必要であった。最新のノウハウを適用することで、我が国のアカデミアの臨床試験に最も適した方法を提案したい。また、そのノウハウを、Japan REDCap Consortium(JREC)で共有したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
日本のアカデミアに適したCSV手法を考案するために、主に調査を行っていたため、大きな費用は必要ではなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今までのREDCap関連システムのCSV事前調査と、実際のCSV活動を実施したい。
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